歯科衛生士がお話しする歯の講座の第五講目です。
年末も差し迫り、クリスマスパーティーや忘年会の予定が増え始めるころですよね。
そういった場面では、ケーキやお菓子、甘いジュースをだらだらと食べたり飲んだりする甘い誘惑がたくさんありますね。
そして、年始に歯が痛む・・・むし歯になってしまったってことにならないように、気をつけたいものですね。
かといってチョコレート、カステラ、ケーキ、アイスクリーム・・・むし歯になるから全部ダメ、ではさみしいですよね。
そうならないように「歯磨きをする!」、それも大事ですが、歯磨きだけではむし歯は防げません。
食べ物の選び方と食べ方を知ることが大切です。
今回は食べ物の選び方と食べ方について見ていきたいと思います!
ミュータンス菌などの細菌が、食品の糖を代謝してネバネバのプラークをつくって唾液の防御をこばみ、その中で強い酸を作って長時間エナメル質に作用すると、むし歯を生じます。
食品がむし歯を作りやすいかどうかは、
①プラークを作る力
②酸を作る力の強さ
③食べている時間
④食べ終わっても口に残って作用する時間の長さ
によって決まります。
よって、長い時間口の中におくアメやチョコは, むし歯の危険度は最高に高くなり, 砂糖の含まれない食品はむし歯についての心配は低くなります。
ジュースやスポーツドリンクをたくさん飲むことによる糖分の摂りすぎは, むし歯以外にも肥満や食生活の乱れなどの影響も出てきます。
市販の飲み物1本当たりに含まれている糖分量をスティックシュガ― (3g) に換算した結果を下に示しています。
発熱時などに水分補給として利用されるスポーツドリンクにもかなりの糖分が含まれています。
飲む回数や量には十分注意する必要があります。
のどが渇いたら水やお茶を飲むことを勧めましょう。
代替甘味料, ノンシュガー・シュガーレス製品を上手に利用してもいいでしょう。
甘いおやつは大きな楽しみであることも事実です。
お菓子などに使われている甘味料の中には, むし歯になりにくいものもあります。
上手に選んで食べたり飲んだりするといいでしょう。
むし歯になりにくい甘味料
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むし歯を作りやすい甘味料
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酸を作りやすい甘味料
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キシリトール 還元パラチノース ソルビトール マルチトース ラクチトース | 砂糖(ショ糖) | 砂糖(ショ糖) 水あめ ブドウ糖 果糖 はちみつ |
● 特定保健用食品マーク
特定保健用食品とは, その食品や食品成分の摂取により, ある種の保健の効果が期待され,
特定の保健の目的が期待できる旨の表示を厚生労働大臣から許可された食品です。 (健康増進法第26条第1項)
非う蝕誘発性と認められた食品には
「むし歯の原因になりにくい」 等の表示がされています。
●歯に信頼マーク
日本トゥースフレンドリー協会によりつけられているマーク。
摂取後30分以内に歯垢 pH 5.7以下にならない食品に付いているマークです。
●ノンシュガー・シュガーレス,シュガーフリー
健康増進法に基づく栄養表示基準制度で定められた基準を満たした食品に表示されています。
食品100g (飲料100
ml) 中に含まれる糖類の量は次のように規定されています。
▲ 「甘さひかえめ」, 「甘さすっきり」「無糖」, 「ノンシュガー」, 「シュガーレス」 とは異なり, 特に定められた基準はありません。
味覚としての甘さを抑えたことを表示したもので,必ずしも糖類の含有量が少ないわけではありません。
「ノン」,「無」, 「レス」表示 | 糖類0.5g未満 |
「低」,「カット」, 「控えめ」表示 | 糖類5.0g(2.5g) 以下 |
たくさんお話ししましたが、むし歯にならないためには食べ物の選び方と食べ方を知ることが大切ということです。
年末年始だけではなく、普段からも長い時間口の中におく食品を、だらだらと食べたり飲んだりする習慣を見直すことが必要です。
そして、歯医者sんで定期健診や必要な予防処置 (フッ化物歯面塗布, フィッシャーシーラント等) を受けることはむし歯予防に非常に効果的なのです。