実体験を盛り込んだマタニティ・小児歯科講座の第九講目です。
二月もいよいよ終わりになり来週から三月になりますね。
日中は少しずつ暖かくなってきはじめました。
昼夜の寒暖差がある季節なので体調管理に気をつけて下さいね 😳
赤ちゃんの歯が生え始めるとちょこんと見え、かわいいなぁと思うと同時に、むし歯にならないようにしてあげないと思いますよね。
可愛い我が子の歯を丈夫にしてあげたいと思うご家族のために、今回は「赤ちゃんの歯を丈夫にしよう!」というテーマでお話しします。
カルシウムをしっかり摂ったら赤ちゃんの歯は丈夫になるの?
赤ちゃんの歯は妊娠中にできます。
すべての乳歯は胎生7~10週に歯胚形成が、胎生4~6ヶ月に石灰化が始まります。
乳歯の歯冠が完成するのは生まれてからになりますが、お母さんから栄養をもらいながら、石灰化は進んでいきます。
そのため、歯の形成に必要な良質のタンパク質やカルシウム、リンなどの無機質、ビタミンA、Dなどが不足しないように栄養バランスを考えた食事をとるようにしましょう。
参考) | 歯胚 ・・・ 歯のタマゴ 石灰化 ・・・ 歯のタマゴが硬くなってくること 歯冠 ・・・ 歯の一部分で歯ぐきから萌出している部分 |
よって、 生えてくる歯が本質的に強いか弱いかは、歯ができあがるまでの食事の内容が大きく影響します。
しっかりカルシウムを摂って丈夫な歯を赤ちゃんにプレゼントしましょう!
妊娠中のカルシウムの一日必要量は900mgですが、所要量の6~7割しか摂れていないといわれています。
授乳期には一日1100mgのカルシウムを摂りましょう。
案外妊娠中よりカルシウムが摂れていません。
私も妊娠中は気をつけていましたが、育児に追われて日々の自分の食事はおろそかになりがちです。
朝は必ず牛乳を飲むにしたりと出来る範囲、意識してカルシウムを摂るようにしてます。
あなたとあなたの大切な赤ちゃんのために、授乳期にも食事に気をつけましょう。
歯によい栄養は?
先ほども言いましたが、赤ちゃんの歯は妊娠中に作られます。
また、永久歯も早いものは妊娠4ヶ月頃から作られ始めますので、この時期にカルシウムだけではなくバランスよく良質のタンパク質、鉄分、ビタミンなども摂り、強い歯を赤ちゃんにプレゼントしましょう。
たんぱく質 | : | 赤ちゃんの筋肉や血液・脳細胞のほかし歯はい胚(歯のタマゴ)の材料になります。 歯にカルシウムを貯めるのに大切な役目をします。 歯胚がつくられる妊娠4~10週頃の初期に特に大切です。 |
ビタミンA | : | 歯のエナメル質の土台を作ります。 また口の中の粘膜も強くします。妊娠12~24週頃に特に大切。 |
ビタミンC | : | 歯の象牙質の土台を作ります。 妊娠12~24週頃特に大切。 |
カルシウム | : | 歯胚(しはい)を硬くします(石灰化)。 妊娠中は平常の1.5倍の量(1日の所要量として900㎎)を摂りましょう。妊娠4~6ヶ月頃にとくに必要 |
ビタミンD | : | カルシウムの吸収を助け、石灰化(歯を硬くする)を調整します。 |
赤ちゃんの口腔ケアのコツ
乳歯がまだ生えていない頃(生後6ヶ月頃まで) 生まれてすぐの赤ちゃんの口の中には、むし歯菌はいません。
しかし、徐々にむし歯菌が赤ちゃんの口の中へ移行し、歯が生えはじめた直後から、その表面に住みつこうとします。
そのとき、甘い物を多く与えていると、むし歯菌が早い時期に住みついてしまいます。だから、歯が生える前からの予防が大切です。
■ | 離乳食はうす味に。甘い味、塩味は控えめにしましょう。 |
■ | 市販ジュース、乳酸飲料、スポーツドリンク等の甘い飲み物は控えて、果物をしぼって与えましょう。 |
■ | 湯ざまし、お茶の中には、むし歯予防のためにも、ハチミツ・砂糖は入れないようにしましょう。 |
赤ちゃんによって個人差はありますが次のことを目安にして下さい。
歯が生える前からお母さんが指で歯ぐきをさわるなどして、口のなかに指を入れることに慣れさせておくといいですね。
なんでも口の中に入れるようになったら、おもちゃのかわりに乳児用歯ブラシを持たせてみてもいいでしょう。
上下6本生える1~2歳ごろには、膝の上に寝かせて小さなやわらかい歯ブラシでみがいてあげましょう。
歯みがき剤は必要ありません。特に前歯の唇側やすき間、奥歯のかみ合わせ部分はていねいに。
乳歯が生えそろう2~3歳ごろは大人のマネをしたがるので、歯ブラシを持たせて自分でみがかせます。
大人がお手本を見せて一緒にみがくといいですね。
ブクブクうがいができるようになれば、一人みがきに挑戦です。
3~4歳を過ぎるとなんでも自分でしたがりますので、正しいみがき方を練習させます。歯ブラシの持ち方も教えてあげてください。
ただし、完全に一人でみがけるようになるまでは、お母さんやお父さんの仕上げみがき・点検みがきを忘れずに。仕上げみがき・点検みがきの仕方
(あぐらを組むと安定します)歯をよく見て、確実にブラシをあてる
(歯ぐき、舌などにブラシをあてないように)広がった歯ブラシを使わない
(歯垢をきれいに落とすことができないだけでなく歯ぐきを傷つける)
日常のちょっとした工夫やプラスすることで、赤ちゃんの歯を丈夫する過程がうまれてくるのです。