幼児食アドバイザーによる食育講座の第十講目です。
三月も中旬となりこの時期は卒業をむかえる人もいれば、新たなスタートを控えワクワクしている人もいらっしゃると思います。
色々な方々との食事の機会も増えてくるときだからこそ、食事のマナーを気をつけたいものですね。
食事のマナーを身につけることは、食育にもつながっていきます。
何回かにわけて食事のマナーについてお話ししていこうと思います 😀
今回は「いただきます」「ごちそうさま」の意味について見ていきたいと思います。
ふだん食事のあいさつにつかっている「いただきます」「ごちそうさま」の意味を知っていますか?
「いただきます」の語源
まずは語源を紹介します。
「いただきます」の「いただく」は、神様にお供えしたものを食べるときや、位の高い方から物を受取るときに、頂(いただき。頭の上)にかかげたことから、「食べる」「もらう」の謙譲語として「いただく」が使われるようになったことに由来します。
やがて、食事を始める時に「いただきます」と言うようになり、食前の挨拶として定着しました。
「いただきます」の意味
食事を始める時の「いただきます」には、2つの意味があります。
■1つめは、食事に携わってくれた方々への感謝です。
料理を作ってくれた方、配膳をしてくれた方、野菜を作ってくれた方、魚を獲ってくれた方など、その食事に携わってくれた方々へ感謝のこころを表しています。
■2つめは、食材への感謝です。
肉や魚はもちろんのこと、野菜や果物にも命があると考え、「○○の命を私の命にさせていただきます」とそれぞれの食材に感謝しており、こちらが本意だと言われています。
「ごちそうさま」の語源と意味
「ごちそうさま」を漢字で書くと「御馳走様」です。
昔は今のように冷蔵庫もスーパーマーケットもありませんから、食材を揃えるのは大変なことでした。
「馳走」は走りまわるという意味で、食事を出してもてなすために奔走する様子をあらわしています。
やがて、丁寧語の「御」をつけた「御馳走」にもてなすという意味が含まれるようになり、贅沢な料理をさすようにもなりました。
日常の挨拶がこころの栄養に
ほかの国では、食事の際に宗教的な儀式はみられますが、「いただきます」「ごちそうさま」のような挨拶をしない国もあります。
「いただきます」「ごちそうさま」には、日本人の考え方や食文化が色濃く反映されているのです。
人と人との関わりや食への関心が高まる今、「いただきます」「ごちそうさま」に教えられることは多いでしょう。
子育て中の方はなおさらです。
何気ない挨拶ですが、意味を知って使うことで、こころの栄養につながると思います。
「いただきます」「ごちそうさま」の意味について理解していただけたでしょうか。
ふだん何気なく使っていた言葉は、とっても深い意味をもっていましたよね。
思いをこめて「いただきます」「ごちそうさま」を言うと、今までと違った角度から食事することができそうですね。
大きなお口を開けて元気よく食事のあいさつができるよう、歯も整えておくと気持ちがいいでしょう!