歯科衛生士がお話しする歯の講座の第十講目です。
三月も残すところあと数日ですね。
三月は「去る」というように、あっという間だった気がします 😯
新学期を控え、お子さんはもちろん大人の方もいいスタートを切るために、健康管理も整えておきたいものですよね。
歯が痛くて初日からつらい・・・なんてことがないようにしたいものです。
今回は、むし歯についてお話ししたいと思いますが、この講ですべてお話しするのは難しいので何回かにわけてお話しします。
一回目は、むし歯ができるまで をみていきます!
お口の中には細菌がいっぱいです。
お口の中の常在菌は少ない人で120種、多い人では350種以上も存在し、その数は少なくとも1000億個以上といわれています。
その中のミュータンスレンサ球菌が食事に含まれる糖質から、歯の表面のねばねばした汚れ「プラーク(歯垢)」という糊(のり)のようにべたつくもの(バイオフィルム)をつくりだして、歯に強力に付着して繁殖を始めます。
このプラークの中で砂糖や炭水化物が発酵し、酸が産生され、歯はその酸によって少しずつ溶けていきます。
これが虫歯の始まりです。
私たちが口にするほとんどのものは虫歯菌の栄養源となる糖や炭水化物が含まれています
飲食するたび、虫歯菌は酸を出すので、口の中は酸性の環境になり、その酸に長時間さらされることで歯は溶けてしまいます。
その現象を脱灰(だっかい)といいます。
そして脱灰が続くと歯の結晶酵素が破壊されて虫歯になり穴が開きます。
実際に虫歯ができてしまうのには4つの要素があり、全ての条件が揃った時に虫歯ができていきます。
食事・・・虫歯菌は糖分や炭水化物が大好きで、どんどん酸を出してしまいます。
抵抗力・・・唾液には食べかすや細菌を洗い出す力があります。
お口のなかが酸性になったのを中性にもどします。
その他さまざまな作用があり、よく噛むことで唾液の分泌量が増えます。
歯の質にも個人差があります。弱い人でもフッ素を使用したり、ケアすることで虫歯のなりやすさは変わってきます。
細菌・・・主な虫歯菌はミュータンス菌とラクトバチラス菌というものがあり、ミュータンス菌は酸を出し、ラクトバチラス菌は虫歯の進行に大きく関わってきます。
はみがきをして量を減らしたり、酸を出す時間を減らす必要があります。
時間・・・おかしやジュースを食べたり飲んだりすることだけがいけない、ということではなく、時間を決めて食べることがむし歯予防につながります。
だらだらと度々お口の中に食べ物を入れていると虫歯になりやすくなります。
一日三食の食事をしているお口の状態↓
だらだらと食べてしまうお口の状態↓
飲食回数が多いと脱灰も進みやすくなるのがわかりますよね。
なので4つの条件を少なくすることが虫歯予防には重要になってきます。
むし歯ができるメカニズムを理解していただけたでしょうか。
4つの条件がキーワードです。
次回はむし歯の進行についてお話します!