実体験を盛り込んだマタニティ・小児歯科講座の第12講目です。
今週はゴールデンウィークですね 😳
今年は、増税もあり近場でお休みを過ごす方が多いとニュースで報道されていましたが、みなさんはいかがお過ごしでしょうか?
それぞれ楽しいお休みを過ごして下さいね!
さて、今回は「赤ちゃんの歯ぎしり」についてお話したいと思います。
我が子も上下の乳歯が生え始めた時は、歯ぎしりをしていてびっくりしました!
赤ちゃんが歯ぎしりするの?!と驚き、その時に勉強したことをお話ししたいと思います。
まず、歯ぎしりとは何でしょうか。
詳しくは、歯の講座でお話ししますが、サラリと説明させていただきます。
歯ぎしりは英語でブラキシズムと言います。語源はフランス語の『La Bruxomanie』と言われており、その意味は『こすり合わせる』ことだそうです。
歯科医院では『歯ぎしり』と説明することから、いわゆる「歯をガリガリと摺り合わせる」ことだと思っている方が多いようですが、
実際は、
①Grinding(グラインディング)こすり合わせること、
②Clenching(クレンチング)くいしばり、
③Tapping(タッピング)歯をカチカチあわせることの3種類があります。
こどもの歯ぎしりの原因は
①精神的ストレス
②かみ合わせの調整の2つが、かんがえられます。
年長児(5~6歳ころ)になると、親が忙しく、触れ合う時間が持てなかったり、逆に頻繁に指示や注意をされ、子どもの気持ちが満たされない場合が多くなるため、蓄積したストレスの発散としてみられることがあります。
赤ちゃんは、どうでしょうか?
赤ちゃんは歯が生えたてのころ、歯ぎしりをするのがみられます。
就寝中に限らず、日中起きているときも歯ぎしりすることがあるので、生えたての数本の歯をキリキリと音をさせるなんて、「うちの子は大丈夫かしら」とご家族の方は心配されるかもしれません。
現にわたしがそうでした。。。。 😯
しかし、赤ちゃんの歯ぎしりは珍しいことではなく、むしろ必要なことだといわれています。
赤ちゃんのあごや歯が成長する時期には多く歯ぎしりは起こります。
個人差はありますが、上下の乳中切歯が生え始めると歯ぎしりが起こり始めます。
これは赤ちゃんが生えたての歯で、あごの位置を決めようしたり、これから生えてくる歯のスペースを確保するために成長していくためであると考えられています。
そして、歯ぎしりには大きな力がかかりますので、この力が赤ちゃんの顎を鍛えて噛む力を育てているという大切な成長の期間であるということが言えます。
赤ちゃん時期の歯ぎしりは生理的に起こるものです。
特に心配する必要はありません。
そして、2~3歳ころにみられる歯ぎしりも、かみ合わせが完成する途中の生理現象のため、心配はいりません。
また、永久歯が生え始める6歳以降は、永久歯と乳歯が混在する時期にあたり、やはりかみ合わせが不安定になりやすいので、歯ぎしりがみられます。
この行為をするためには、あごの力も必要です。
つまり、歯ぎしりできる子はかむ力が確実に形成された、適切な成長過程をたどっていると評価できるのです。
ただし、歯ぎしりが歯や口の機能に影響することもあり、注意深い観察が必要になることもあります。
あごがだるい、口の開け閉めがしにくい、耳が痛い、歯のかむ面が平らになってきているなどの、症状がみられるときは、歯医者さんに診てもらいましょう。
問題のある場合を除けば、ギリギリゴリゴリガリガリと嫌な音がする歯ぎしりが、子供の成長に必要な行為と思うとほほえましく思えてきますよね。
子供の歯ぎしりが聞こえたら、『おっ!成長しているなぁ~!』と思ってくださいね^^