歯科衛生士がお話しする歯の講座の第12講目です。
皆さん、ゴールデンウィークはどのように過ごしましたか?
お天気がいい日にお出かけされた方は、日焼けしてしまった人もいることでしょう 😀
五月病にならないよう、気持ちをいれかえて頑張りましょう!
さて歯の講座では、むし歯についてをシリーズでお届けしています。
前回は「CO 要観察歯」についてお話ししました。
今回は「C1(初期の虫歯)」についてお話します。
C1(初期の虫歯)
症状
虫歯菌は、プラークの中で、ねばねば物質と共に酸を作り出します。
歯の表面を覆っているエナメル質は、そのほとんどがハイドロキシアパタイトという、非常に硬い成分で出来ているのですが、外からの衝撃には強くても、耐酸性にはあまり優れていません。
プラークの中で作られた酸は、やがてエナメル質を溶かし始めます。
これを脱灰作用といい、だんだん歯の表面が白く濁って見えるようになります。
これが虫歯の初期段階で、脱灰した部分からは、どんどん細菌が侵入していきC1は、歯の表面のエナメル質が脱灰して溶けはじめ、小さな穴が開いてしまった状態なのです。
COの段階は歯が白くなりますが、C1に進行すると穴が開いた部分は茶色又は黒色に変色します。
表面の部分だけの小さな虫歯なので、冷たいものが歯にしみる場合はありますが、痛みはありません。
とは言っても、歯質が溶けて穴が開いてしまっているので、残念ながら再石灰化による自然修復は及びません。
治療法
表面の部分だけの小さな虫歯なので、藤村歯科クリニックでは治療を行うかどうかは、歯だけを診るのではなく、その方のライフスタイルも重視しています。
再石灰化による自然修復はありませんが、しっかりと歯ブラシが行える方で定期的に歯の状態をチェックしに来院出来る方は、歯を削って治すのではなく、CO(要観察歯)の時と同様に経過を診ていきます。
少しでもむし歯になっているからといって、すぐに削ってしまって治す歯医者さんもありますが、歯は一度削ってしまうと元には戻せません。
藤村歯科クリニックではC1(初期のむし歯)は、患者さんの歯ブラシのコツをご指導して、むし歯が悪くならないようにサポートしていきます。
万が一進行がみられた時は次のような治療に進みます。
初期の虫歯は、虫歯になった部分を全て取り除き、詰め物を詰めるだけの簡単な治療で済みます。
虫歯に侵された部分が少しでも残っていると、そこからまた虫歯が再発してしまうので、虫歯になっている部分は綺麗に取り除く必要があります。
虫歯が表面のエナメル質だけなので、麻酔はしますが治療中の痛みはほぼありません。
虫歯を取り除いた後には、
樹脂を流し込んで特殊な光を当て、元の歯と同じような色でつめることができます。
1 | 痛みが出ないようにマスイをします。マスイをせずにおこなうときもあります。 |
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2 | 虫歯になった部分を全て取り除きます。 |
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3 | 詰め物の適合をよくするため、残った歯の形を整えます。 |
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4 | 歯の色に近いレジンを選んで削った溝に流して、光を照射して固めます。 |
このように初期の虫歯のうちに発見することができれば、痛みが少なく治療もごく短期間で済ませることができます。
そして、むし歯の部分だけ削ることで極力歯を削らずに行います。
誰でも痛みというのは嫌なものです。
虫歯をごく初期のうちに発見できれば、ほとんど痛みを感じずに治療出来ます。
早期発見、早期治療のために痛くない時こそ、歯の定期検診を行っておくことが大切です!