歯科衛生士がお話しする歯の講座の第16講目です。
今日で7月も終わりですね。
夏の思い出作りにどこかへ行ったり、何かをしたりしていますか?
私は先日、今年初のプールに行きました 😛
日焼け止めを首だけぬるのを忘れてしまいました・・・みなさん気をつけて下さいね 😥
さて歯の講座では、むし歯についてをシリーズでお届けしています。
前回は「C4(根っこだけが残った状態)」についてお話ししました。
今回は「大人のむし歯」についてお話します。
虫歯に注意しなければならないのは、子供だけではありません。
大人の方が、子供よりも虫歯の発生頻度は低いのですが、大人には子供とは違った虫歯リスクがあるため、注意が必要です。
子どもの虫歯の特徴
・甘いものを食べる機会が多い
・歯の溝などの磨き残しが原因になりやすい
大人の虫歯の特徴
・歯の溝だけでなく、歯と歯のすきまや歯と歯茎の境目などにも虫歯ができる
・一度治療した歯の、被せ物・詰め物の奥に虫歯ができている
上記のように、子供と大人の虫歯の特徴は違っています。
大人の場合は、一度虫歯になった歯が、再び虫歯になってしまうケースがとても多いです。
一度治療した歯が虫歯になってしまうのは、被せ物や詰め物と歯の隙間から細菌が侵入してしまうことが原因です。
隙間と言っても、目視ではわからないほどの、とても小さな隙間です。
その小さな隙間からできた虫歯は、被せ物で隠れていて気づきにくいので、進行してから気付くケースが多いです。
また、一度治療している歯ですから、歯の表面でなく、深い部分で虫歯が発生するので、進行が早いという特徴があります。
特に、神経のない歯の場合には、痛みが生じないため、気付かずに進行させてしまい、歯を失う原因になりやすいです。
被せ物の奥にできる虫歯の原因と予防法
進行しやすく、気づきにくい被せ物の奥にできる虫歯(二次カリエス/二次う蝕と言います)は、歯と被せ物のわずかな隙間から細菌が入り込み、歯ブラシが届かないため、セルフケアで予防するのはとても難しいです。
日頃からプラークコントロールを心がけ、定期的に健診を受けることが、二次カリエスを予防し、悪影響を最小限に抑えるために必要となります。
詰め物・被せ物と歯との境目は、プラークが蓄積しやすいため、十分なプラークコントロールが必要になりますし、自分では二次カリエスに気付きにくいので、定期的な健診で早期に発見してもらうことが大切なのです。
また、詰め物や被せ物の素材を、保険の金属ではなく、二次カリエスのリスクが低い素材(ジルコニア・セラミック・ゴールドなど)を選ぶことも、リスクを低下させる方法の一つです。
保険が適用にならない素材ですが、保険の治療の時とは、型取りの仕方や材料・詰め物をつけるときの材料も違います。
保険が悪い・質が落ちるわけではありませんが、より精密にフィットがいいものを保険適応外のものは提供します。
ところで、歯と被せ物・詰め物の間に隙間ができてしまうのは、どうしてでしょう?
さまざまな原因が考えられますが、次のようなものが挙げられると思います。
- 詰め物・被せ物の完成度
- 詰め物・被せ物に加えられる衝撃
- 詰め物・被せ物と歯の接着強度
- 口の中の衛生管理
歯と歯茎の隙間にできる虫歯に気付いたら、一刻も早く治療を!
子どもの虫歯とは違い、歯と歯茎の隙間の虫歯も大人の虫歯の特徴と言えます。
歯と歯茎の隙間は、他の部位にできる虫歯に比べて神経に近いため、小さな虫歯でも神経に達しやすいです。
歯と歯茎の隙間の虫歯は、早期治療で進行させないようにすることが重要です。
また、歯と歯茎の隙間は汚れが溜まりやすい部分でありながら、自分では汚れが落としにくい部分でもあります。
歯と歯茎の隙間の清掃は、歯周病予防にもなるため、日々の歯磨きで意識することが必要でしょう。
歯と歯茎の隙間を磨くには、毛先が細く、柔らかめの歯ブラシを使用し、細かく動かすように1本1本磨くことが大切です。
力まかせにブラッシングしてしまうと、歯茎に負担を与えてしまうので、丁寧に行ってください。
大人の虫歯は早期発見・早期治療が大切
二次カリエスに、歯と歯茎の隙間の虫歯に…大人の虫歯は、進行しやすい特徴があります。
しかし、仕事や家事で何かと忙しい生活を送っていると、必要に迫られなければ歯医者に行かない人が多いです。
大人の虫歯は特に、抜歯が必要なほどに進行してしまっている可能性が高いので、早めの治療が必要です。
大人虫歯の早期発見のために、定期的な健診で早期に発見してもらうことが大切なのです。
藤村歯科クリニックでは、そういったケア・サポートをさせていただきます。