歯科衛生士がお話しする歯の講座の第17講目です。
藤村歯科クリニックでは17日~20日までお盆休みをせせていただいていました。
まだまだ暑い日が続いていますが夏バテなどはしていませんか?
特に暑い日は、熱中症にならないように冷たい飲み物を飲むことが多いですよね!
そこで気をつけたいのが、清涼飲料水を飲むことでむし歯を引き起こす可能性があるということです。
清涼飲料水がわるいわけではありませんが、気をつけなければならないということをお話ししたいと思います。
~ 歯の健康と清涼飲料水 ~
ジュースに含まれる糖分に注意。
甘いものは虫歯になりやすいというのは常識ですが、お菓子やコーヒー、紅茶に入れる砂糖の量などには気をつけるものの、ジュースなどの清涼飲料水に含まれる砂糖の量となるとあまり考えたことのない方も多いかもしれません。
ところが実際、自動販売機などで売られているお茶や天然水以外の清涼飲料水には、かなり甘味の強いものが多いのです。
ある公の機関の調査によると、一缶の清涼飲料水の中には多い物で40gを越える砂糖が含まれていると報告されています。
これは一杯のコーヒーや紅茶に入れる砂糖の6から7倍の量になります。
「1日20gが適切な砂糖の摂取量」です。
食事と食事の間にこのような糖分を多く含んだ清涼飲料水を飲めば、甘いお菓子を間食として食べたのとほぼ同じ虫歯に対する危険性がありますから、なるべくお茶、お水、牛乳などの砂糖を含まないものを飲むようにしましょう。
カルシウムを溶かす酸性の力
もう一つ清涼飲料水を選ぶ上で注意が必要なものに清涼飲料水の酸性、アルカリ性の程度があります。
コーラや果汁を含む清涼飲料水の多くはかなり酸性の度合いが強く、歯の表面からカルシウムが溶け出すのに十分な酸性度を持っています。
例えば、試しにコーラを口に含んで1分間ほどそのままにした後吐き出して、上下の歯をこすりあわせてみてください。
ギシギシとした今までと異なった感触が感じられるでしょう。
これは歯の表面からわずかながらカルシウムが溶け出た証拠です。
この程度の障害はだ液の力で自然に回復しますが、清涼飲料水の取り過ぎは歯によくないことはおわかりいただけると思います。
これら清涼飲料水の問題点は健康に良いと思われているスポーツドリンクでもあまり違いはありません。
無加糖・無添加のストレート果汁が理想
とはいえ今の暑いときは、冷たく甘いものがほしくなり各種清涼飲料水のお世話になることも多いでしょう。
しかし、糖分の多い清涼飲料水をガブ飲みしても疲れは取れません。
逆に、疲れやすくなってしまいます。
原因はビタミンB1不足です。
ビタミンB1は、糖質をエネルギーに変える時に必要な栄養素です(汗と一緒に失われる成分でもあるので、夏場に不足しがちです)。
糖質を過剰に摂取すると、ビタミンB1が不足し、糖質をエネルギーに変えることができません。
処理できなくなった糖質は、疲労物質として体に溜まってしまいます。
清涼飲料水などの摂取量には、十分な注意が必要です。
そして、特に子供は本当にジュースが好きです。
ほ乳瓶でジュースなどを乳幼児に飲ませる時には、こうした問題があることを心にとめておいてください。
やむを得ずジュースを買う際には、無加糖で色素・香料等食品添加物が含まれず、濃縮果汁還元ではない、ストレート果汁が理想です。
疲れた体や神経に、ときには砂糖の甘味も必要ですし、発熱時や運動後のスポーツドリンクには意義があります。
その飲み物の成分を考えて、その時に適した飲み物を選んでくださいね。