幼児食アドバイザーによる食育講座の第18講目です。
8月もそろそろ終わりですね。
夏休み期間もうすぐおしまいですね。
こどもと落ち着いて食事ができるのもあと少し、この期間にできること、見直せることをしてみませんか?
家族で朝ごはん!
朝食を食べない家庭が増えています。
食べても菓子パンや野菜ジュースなど、手をかけずに「出すだけ」で済むものが殆どのようです。
そして、これらを家族ひとりひとりが自分の時間に合わせてバラバラに食べているのが現状です。
それぞれが自分の好きな時間に好きなものを食べて、さっと出かける。
これはドラマなどの朝食シーンにも現れていますね。
朝はどの家庭も忙しいものです。
朝食に手間をかけている暇はないのは皆同じです。
時間がないことよりもむしろ、お母さん自身に朝食を食べる習慣がないことが原因なのではないでしょうか。
「朝シャン」という言葉が生まれたように、1960年以降に生まれたお母さん世代は、高校生くらいから朝食を食べることよりも、髪を整えることや寝ることの方を優先してきました。
その習慣は結婚してからはもちろん、子どもが生まれてからも続きます。
朝食は子どもしか食べない、あるいは、子どもが幼稚園に行くまでは朝食を食べさせる習慣がなかった、というお母さんもいます。
炊きたてのごはんと湯気の立ったお味噌汁を前に、家族みんなで手を合わせて「いただきます」。
そんな朝の食卓風景は、もうとうに失われてしまった過去のものなのでしょうか・・・・
文部科学省と日本PTA全国協議会などが取り組んでいる「早寝早起き朝ごはんキャンペーン」をご存じでしょうか。
基本的な生活習慣が身についていない子どもが増えていることへの危機感から、とうとう国も動き出したのです。
100を超える個人や団体(PTA、文化関係団体、経済界など)が一丸となって子どもの基本的生活習慣の確立や生活リズムの向上につながる運動を積極的に展開しています。
これまでの調査の結果からも、「朝食を食べないことがある小学生 15%、中学生 22%(平成17年、文部科学省委嘱調査結果)」など、朝食を食べない子どもが増えていることは顕著です。
また「午後10時以降に就寝する就学前の幼児 29%(平成17年、民間調査結果)」など、子どもたちの生活リズムの乱れもはっきりと見えてきています。
さらに注目したいのは「毎日朝食を食べる」ということの効果です。
朝食を食べる習慣がない子どもには、体力の発達や学力にも問題があることがわかってきたのです。
「毎朝朝食を食べる子どもほど、ペーパーテストの得点が高い傾向にある(国立教育政策研究所調査結果)」、「毎日朝食を食べる子どもの方が食べない子どもより体力テストの結果もよい(文部科学省体力運動能力調査結果)」など、朝食を食べることのメリットもしっかり見えてきました。
宿題提出率や忘れ物頻度との関係や、親の生活スタイルの影響など、現在展開されている調査からも、さらに新たなデータが続々と出てきています。
まずはきちんと朝ごはんを食べる習慣、大人から初めてみませんか?
子どもたちに時間の余裕のある夏休みは、新しい習慣をスタートするいい機会です。
気軽に始めることが大切です。
親がまじめにがんばりすぎて「せっかくつくったのに」と押し付けがましくなってしまっては、楽しい朝ごはんのイメージづくりは難しくなってしまいます。
最初は「出すだけ」のものだっていいのです。
チーズやヨーグルト、牛乳などの乳製品は、時間のない朝の強い味方になってくれます。
そしてさらに、大人にも時間の余裕がある休日には、子どもたちと一緒に朝食づくりにチャレンジしてみませんか。
まず、おいしい朝ごはんのために、前の晩はいつもより少し早く寝ましょう。
そして、さわやかに目覚めたら子どもと一緒にゆったりと朝食づくりをスタートです。
メニューは簡単なものでいいのです。
たとえばおにぎりやフレンチトーストなど。
栄養のバランスよりも、楽しく作って食べられることが第一です。
そしてテーブルに座って一緒に食べてみてください。
忙しい朝は、お母さんは立ったままで子どもをせかしがちです。
楽しくつくった朝食を一緒に食べる。
そんな小さな体験が、何でもない夏の一日をとても大切な記念日にしてくれるかもしれません。
先日旅行に行き、そこでの朝食が美味しかったのが思い出の一つです。
料理が美味しいのはもちろんですが、時間に余裕があり、家族と楽しい会話が出来たことが大きな要因だと思います。
新しい習慣を身につけるのには時間がかかります。
まず、楽しい、おいしい体験をすることから、少しずつ、栄養のバランスは? 朝は何を食べると元気が出そう? よくかんでる?などと、子どもたちと一緒に考えていけばいいのではないでしょうか。