実体験を盛り込んだマタニティ・小児歯科講座の第21講目です。
妊娠するとおこる「つわり」は、約8割の人が経験するといわれています。
私もつわりはありましたが、比較的に軽い方といわれていました。しかし、歯ブラシをするのがつらいときもありました。
口の中に何か入ると気持ち悪い、
歯磨き粉の味が苦手になった、
常に何か食べていないと気持ち悪いから磨いてもすぐに何か食べてしまう・・・
、と思ったら突然大丈夫になったりと日によっても様々です。
それほど妊婦さんのお口の清掃はなかなか大変だったと自分の体験からも思います。
妊娠中に役立つお口のケアについて実体験をまじえながらお話ししたいと思います 😳
妊娠中はホルモンバランスの変化によって唾液がネバり、お口の中に食べカスが残りやすくなり、細菌が繁殖しやすくなってしまいます。
そして、ホルモンバランスの変化により、歯茎が腫れやすくなっています。
また、酸っぱいものが食べたくなる傾向があるので、お口の中が酸性に傾き、歯にとって良くない口腔環境になりがちです。
さらに、お腹が大きくなると胃が圧迫されてしまい1度に食べられる量が減るので、必然的に食事の回数が増え、お口の中が不衛生になりがちです。
そこで妊娠中の口腔ケアのポイントは?
つわりのある時は体調の良い時間にしましょう
つわりは朝の起床時や疲れのたまった夜、あるいは食後に多くみられるようです。
私は、夜につわりがあったので夜ご飯はほとんど食べれなかったですし、歯磨きはつわりが始まる前にしていました 😥
歯磨きは食後が効果的ですが、食べた後のつわりのつらい時を避けて、体調の良い時間を見つけることが大切です。
お風呂につかりながらの“ながらみがき”でリラックスしているときに磨いてもいいでしょう。
立ちながらも辛いときもありますし、洗面所は冬場は寒かったりもしますのでリビングですわって行うこともおススメです!
奥から前へかきだして磨こう
つわりの時には、のどに近い場所はとくに吐き気をもよおします。
前から奥へと歯ブラシをうごかすのではなく、できるだけ奥歯に歯ブラシを当ててから、前の方にかき出すように歯ブラシを動かしましょう。
顔を下に向けて磨こう
歯を磨く時にのどの方に唾などが溜まると、その刺激で吐き気が出たりすることがあります。
なるべくのどの方に流れないよう、下を向いて歯磨きしましょう。
気をつけたいのが・・・つわりがきつい時や、逆に下をむいたら気持ち悪くなる場合もあるので気をつけなければなりません。
においの強い歯磨き剤は使わない
妊娠中は臭いに対して過敏になる事があります。
歯磨き剤の中に含まれている香料の強いものでは、臭いを嗅いだだけで気持ち悪くなることもあります。できるだけ香料の強くない歯みがき剤を使用するようにしましょう。
歯ブラシは小さめのものを選び、ストロークを小さめに磨く
大きな歯ブラシを使うと、奥歯を磨くときにのどに近い粘膜を刺激することになりかねません。
のどに近い部分に触れると、吐き気をもよおすことになるので、なるべく小さな歯ブラシを使ってストロークを小さめに磨きましょう。
また、どうしてもつわりがひどく歯みがきができないときはブクブクうがいを充分にしたり、シュガーレスガムを噛むようにしましょう。
こんなことも試してみては・・・ 🙂
緑茶でのうがいは殺菌効果もあります。
うがいもできない時には小さめの氷をなめてみてください。
※緑茶にはカフェインやタンニンが含まれているため、うがいの際は注意してください
大切なのは・・・
虫歯になる直接の原因である、食生活を見直すことも大切です。
虫歯菌や歯周病薗が栄養にするのは、口の中に残った食べものカスの糖分です。
お菓子などの問食を控えるだけでも虫歯を防ぐ効果があります。
また、食事もやわらかいメニューよりは、繊維質の多い固めの料理のほうが、食ベカスが歯につきにくく、虫歯になりにくいといえます。
食事にだらだらと時問をかけるのもよくありません。
つわりのひどいときは仕方ありませんが、なるべく食事は決まった時間にすませ、食後には歯磨きを。歯磨きがつらいときにはせめて食後にうがいをしましょう。
虫歯・歯周病を防ぐ食生活のポイント
問食に甘いものは控える
おかずは繊維質の固いものを
食事にだらだらと時間をかけない
食後には歯磨きかうがいを
歯磨きは気持ち悪くない時問帯を選んでする
つわりの時期が過ぎてハミガキが無理なくできるようになったら歯科医院でお口の状態をチェックしてもらいましょう。
出産後は育児や家事におわれ、なかなか歯医者さんへ行く時間もとれないものです。
出産前にお口の中をキレイにしておくことで、生まれてくる赤ちゃんのムシ歯を予防することができます。