実体験を盛り込んだマタニティ・小児歯科講座の第22講目です。
一雨ごとに寒さを感じるようになってきましたね。
そして街はクリスマスのイルミネーションできらびやかに飾られ始めてます。
年末感も少しずつ出てきてあわただしい日がやってきそうですね 🙄
年末といえば色々な行事がありだらだら食べてしまいますよね…
こどもたちも同じような食生活を送りがちでついつい歯ブラシを怠りがちになります。
そんなときに、きちんと磨けているか確認する歯の染め出しがお勧めです。
今回は歯の染め出しについてお話しします!
むし歯の原因となるプラーク(歯垢)は、べたべたと歯にくっつきやすく、また歯と同じような色をしているので見落としやすいものです。
みがき残ししやすい奥歯の溝や歯と歯の間などは、そのままむし歯になりやすいところでもあり、予防のためには、子どもさんのみがき残ししやすい場所を染め出し液などで把握しておくことが大変重要です。
きれいにみがいたつもりでも、歯ブラシがあたりにくいところには、みがき残しがあるものです。
そしてみがき残したところからむし歯はできてしまうのです。
歯の染め出しをすると、現在付着しているプラークがはっきりと確認できます。
染め出された場所は、みがき残している場所であり、何度か染め出してみていつも同じ場所が赤く染まるようであれば、普段のみがき方を改善する必要があるかもしれません。
お子さんにここが苦手なのかなあと意識させるのに大切です。
そして赤く染まった場所を意識してみがくことにより、確実にみがき残しをなくす歯みがき法が習得できることでしょう。
染め出しをして、自分でチェックする目を養うことが非常に大切なのです。
歯みがきの後にもう一度確認染めをして、みがく前に染まっていたところが染まらなければその汚れはきれいに落とせたことになります。
このように歯みがきの成果がわかることで、歯みがきに対するやる気(モチベーション)がでるというメリットもあります。
難しいところは親御さんの仕上げ磨きでしっかりしましょう。
さて、プラークを染め出すための染め出し剤にはさまざまなものが市販されていますが、どのようなものを選ぶのが良いのでしょう?
かつて厚生省(現厚生労働省)の示した染め出し剤の所要性質は下の通りです。
望ましい染め出し剤の性質
①色調が目立ち、染色度が高い。
②自然に脱色する。
③味が悪くない。
④顔や衣服を汚さない。
⑤粘膜を刺激しない。
⑥防腐性あるいは殺菌性がある。
⑦発がん性がない。
色素には以前はヨードなどが多く使われていましたが、色調が目立ちにくいことや染色性の弱さなどから現在では赤色104号や105号といった食用色素が主に使われています。
現在市販されている染め出し剤のほとんどが所要条件を満たしていることは言うまでもないですが、色調や染色度については採用した色素の種類や配合量などの違いにより違いがあるようです。
液体やジェル、歯みがき剤に色素が添加されたものや錠剤など、形状もさまざまなものがあります。
家庭では歯ブラシで手軽に塗布ができるジェルタイプの染め出し剤が便利です。
- 歯ブラシに染め出し剤をとり、歯面に塗布します。
- 水で1~2回軽くうがいをします。
- 鏡で汚れを確認しながら歯みがきをします
きれいにみがいたつもりでも、歯ブラシがあたりにくいところには、みがき残しがあるものです。
特にお子さんはどこが磨けたのか、磨けていないのかわかりづらいものです。
染め出しをすることによって、赤く染まった場所を発見でき、意識してみがくことにより、みがき残しを少なくする歯みがき法がお子さんも習得できることでしょう。