歯科衛生士がお話しする歯の講座の第22講目です。
12月に入り今年も残すところあと1か月となりましたね。
元気に年越しができるようにしましょう 😆
さて、歯周病についてのお話はシリーズ化でお届けしています。
今回は歯周病の進行についてお話しします!
歯周病は大きく分けて、四段階を経て進行します。
早ければ早いほど歯を守れる可能性が高くなりますので、あてはまる症状がある場合は早めに歯科を受診しましょう。
第一段階(P1)(Periodontitis=歯周病を略して、Pといい、段階ごとに1、2、3、4とつけます。以下同様)
歯を磨いたときに時々出血があったり、歯茎に赤いところが見られたら歯周病の第一段階です。
歯肉にのみ炎症があるもので、歯根膜や歯槽骨まではまだ破壊されていません。
プラークや歯石が原因で歯肉に炎症を起こします。
歯ぐきは暗赤色で丸みをおび、はれてきます。
歯磨きや固い物を食べた時に出血しやすくなります.
歯科衛生士の指導を受け、しっかりとした歯ブラシを行うことで健康な状態へ回復することができます。
第二段階(P2)
歯ぐきの炎症が進行すると、歯と歯ぐきの間の付着の器官が溶け、歯周ポケットができます。
そして、歯を支えている歯槽骨が溶け始めます。
歯が浮いているような感じがする人や、歯茎にかゆみを感じる人もいます。
歯磨きでは取れない、歯周ポケットの中の歯石を歯科衛生士さんに取ってもらわなくてはなりません。
ここまででしたら、適切なご自身の歯ブラシと歯科衛生士の歯周治療により歯を守ることが充分可能です。
第三段階(P3)
歯槽骨が歯根の長さの3分の1~2分の1まで消失した状態です。
炎症がさらに悪化すると、歯槽骨が溶けて歯根部が露出し、冷たいものや熱いものが凍みたりする事があります。
歯石が歯周ポケットの奥にどんどん付着し、歯ぐきがはれて膿がでてきます。
口臭も徐々にひどくなり、歯がぐらぐら動くようになります。
第四段階(P4)
歯が抜ける直前の状態です。
歯茎は紫色に変色してしまいます。
細胞が壊死しています。
歯茎が下がって、歯がとても長く見えるようになります。
歯の隙間が広がって食べ物が詰まりやすくなったり、食事が困難になります。
指や舌で歯に触れると動くのがはっきりわかります。
また、周りの歯にも悪影響を及ぼしますので、他の歯を守るためにも抜歯する可能性が極めて高くなります。
歯槽骨が溶けてしまうと、入れ歯やインプラント治療も難しい場合が多いです。
P3・P4の段階まで歯周病が進んでしまうと、正常な歯の状態に戻すことはほとんど不可能です。
そうなる前に歯医者さんで歯のチェックをしていただき、適切な診断・治療をを受けましょう。