実体験を盛り込んだマタニティ・小児歯科講座の第23講目です。
寒さが厳しい日々ですが、
皆さんは暖房器具をフル活用されていますか?
こたつを出そうかどうしようかとまだ悩んでいる私です・・・ 🙄
体調を崩さないようにしてくださいね!
今回のテーマは こどものレントゲン についてお話しします。
レントゲン撮影って必要なのかな・大丈夫なのかな、と心配されるかたもいらっしゃると思います。
歯科のレントゲンは安心・安全です。
一般的に歯科で撮っているレントゲンの撮影時にうける放射線はきわめて低く、胸のレントゲンを撮ったときの1/13と報告されています。
太陽光線による放射線の量に比べても軽微だといわれています。
妊婦さんは時にレントゲンについて心配が大きいと思いますが、人間の胎児は10ヶ月間、お母さんのお腹の中で成長します。
この中で妊娠初期は各器官(目や鼻など)のもとになる部分が形成される重要な時期なので、この時期はX線に対する感受性が高いのです。
したがって、X線検査をするときはできれば妊娠12週以降に行うのが望ましいといえます。
このように、レントゲンを撮ることによって、自覚症状のない虫歯や歯周病を発見できたり、原因がわかったり、治療の確認をしたりと診察する上で重要な材料となっています。
お子さんの場合はまずは、これから生えてくる永久歯の状況確認をするためにとても重要です。
このように見えないものを写し出すレントゲンは歯科治療に欠かせないものであるといえます。
一般的に乳歯から永久歯への生え変わりの時期は、6歳前後と言われています。
その頃から永久歯は生え始めて、12~13歳頃までにはすべて生え揃います。
ところが最近、乳歯が抜けたのにもかかわらず、永久歯が一向に生えない子供たちが増えているといわれています…。
普通でも6歳になってすぐに生える子、小学校3~4年生になってようやく生えてくる子など、生え変わりのペースは子供によって様々ですが、小学校高学年なっても生え揃わないケースもあります。
まだ乳歯の時期にレントゲンを撮ると分かるのですが、歯肉の中には『歯胚(しはい)』という“永久歯の芽”があります。
けれど、永久歯が生えない子供の歯のレントゲンには全く歯胚が写っていないことが多いようです。
なぜ、そのようなことが起きるのでしょうか。
子供の歯の状態は、妊娠時にお母さんが摂取していた栄養に大きく左右されます。
親が摂取した栄養をもとにして、子供の歯が作られるからです。
妊娠7週目から18週目には乳歯の歯胚ができ、永久歯の歯胚の一部も妊娠16週から19週頃から少しずつ成長していきます。
妊娠中に必要な栄養が不足すると、歯を守るエナメル質が作られないこともあるため、注意が必要です。
しかし、妊娠初期のつわりで辛い時に無理に食事をするのはストレスを溜めてしまうので、お腹の赤ちゃんにも良くありません。
調理方法などを工夫して、食べられる時に栄養を摂るようにしましょう。
永久歯がいつまで経っても生えない原因は、歯並びなどの問題で生えてくる場所がないことも挙げられます。
永久歯自体が生える準備万端なのに、他の歯が邪魔をして出てくることができないケースです。
このような場合は、歯列矯正などを行うことで、永久歯が出てくる場所を作ってあげると改善されるでしょう。
先天性欠如歯と呼ばれる、歯の形成異常の一つが原因ということも考えられます。
無歯症とも言われていて、すべての歯が欠如している場合は『完全無歯症』、部分的に欠如している場合は『部分的無歯症』となります。
これは、生まれつき歯が作られないため、本数が足りません。
これによって“すきっ歯”になりやすく、見た目だけでなく歯並びや噛み合わせにも影響します。
原因の特定が難しいですし、歯科治療を受けたからといって、足りない永久歯が生えてくるわけではありません。
最初にも言いましたが、見えないものを写し出すレントゲンは歯科治療に欠かせないものであるといえます。
お子さんの場合はこれから生えてくる永久歯の状況確認と虫歯の有無を調べたり非常に大切な情報源です。
歯医者でお子さんの歯の情報をしっかり把握して適切な治療・予防を受けましょう!