実体験を盛り込んだマタニティ・小児歯科講座の第25講目です。
3月は年度末ということでバタバタされる方も多いのではないでしょうか・・・ 🙄
たまには一息ついて休憩の時間もとってくださいね!
そんなリラックスしているときなど無意識の状態のとき、皆さんはお口は閉じてますか?
それとも開いていますか?
日本人の半数以上が口呼吸をし、小学生以下の幼児に至っては、8割近くが口呼吸をしているという調査結果があります。
今回は、この口呼吸・「口ぽかん」の状態はどんな影響をもたらすのか見ていきたいと思います。
「口ぽかん」の原因は?
⑴ 花粉症やハウスダストなどによるアレルギー疾患で、鼻づまりや鼻炎が増加していることにあるそうです。
⑵ 昔に比べて硬いものを食べない食生活に変化し、口の周りの筋力が低下していることも原因のひとつです。
花粉症と「口ぽかん」の関係
子どもの花粉症デビューは、ウェザーニューズの昨年の調査によると、平均7.4歳といわれています!
その中でも、4〜7歳の幼児期に発症する割合は、27.4%で最多だそうです。
その要因は、高タンパク、高カロリーの食生活への変化、免疫力の低下、幼稚園や保育園への外出で花粉を吸い込む機会が増加するなど、昔に比べて、花粉症になりやすい環境になっているのです。
また、医師の約9割が「子どもの花粉症が増えた」と回答していますが、鼻呼吸より、口呼吸をする「口ぽかん」の子どもが増えていることもその原因だそうです。
鼻には吸い込んだ空気の湿度や温度を調整してくれる機能があり、抗菌成分のある鼻粘液や鼻毛などが細菌やウイルスが入り込むのを防御してくれます。
それゆえに「口ぽかん」の子どもは、花粉症などのアレルギーが悪化しやすくなり、かぜやインフルエンザのウイルスも体内に侵入しやすい環境になっているのです。
また、口を開けたまま眠ることで、睡眠時無呼吸症候群になっている可能性もあるのです。
「口ぽかん」には、こんな悪影響もあります!
「口ぽかん」と、そうでない子どもの比較調査では、こんな結果も出ているそうです。
鼻づまりで口呼吸をしている子どもは、そうでない子どもより、睡眠力が低く、太っていたり、痩せているなど偏った体格が多い傾向にあるようです。
快眠できないため、「午前中の体調が優れない」、「ちょっとしたことでイライラする」という率も高くなっています。
口ぽかんは、睡眠への影響だけでなく、体格や日常生活での態度、メンタル面など、子どもの大切な成長期に影響を与えることから、特にお母様は、子どもの睡眠時の呼吸、寝顔を観察し、もしも口ぽかんであれば、早めに、鼻呼吸に改善していく意識を持つことが大切だと考えられます。
「口ぽかん」の対策
☆日常生活では?
常に唇を閉じるように意識することが大事です!
「口を閉じるとこんないいことがあるよ」と教えるといいそうです。
特に、テレビを見る、本を読むなど、熱中している時は、ママも「口ぽかん」にご注意ください! (子どもは親のマネをするものです。)
また、ガムを噛ませたり、一日30回、左右均等に噛むようにするなど、噛みグセを直す方法でも、口周りの筋力を鍛えることができます♪
☆親子で「あいうべ体操」しよう!
ママと一緒にできる楽しい「あいうべ体操」!!
次の4つの動作を繰り返し、口周りの筋肉を強化しましょう♪
1.「あー」と口を大きく開く
2.「いー」と口を大きく横に広げる
3.「うー」と口を強く前に突き出す
4.「べー」と舌を突き出して下に伸ばす
4つの動作をワンセットとし、まずは一日10回から、いずれは一日30回を目指して楽しく頑張りましょう♪
正しい舌の位置でお口の中の乾燥を防ぎましょう
唾液には殺菌・消毒・洗浄などの重要な作用があります。
「口ぽかん」によって口の中が乾燥してしまうと、むし歯や歯周病になりやすくなり、さらに免疫防御機能を持つ扁桃リンパ組織も感染しやすくなってしまいます。
「あいうべ体操」は、口の中の乾燥を防ぐための体操です。
「あいうべ体操」は口の周りの筋肉を鍛え、舌の位置を正しい位置に戻してくれるとてもシンプルなトレーニングです。
それぞれの鼻呼吸習慣、さっそく役立てて、お子さんと元気な毎日を過ごしてくださいね。