幼児食アドバイザーによる食育講座の第26講目です。
寒の戻りがあり週始めは、外に出るのが億劫でした 😥
来週からはポカポカ陽気らしいので、お出かけが待ち遠しいですね!
さて食物アレルギーについて前回からの続きとさせていただきます。
今回は食物アレルギーへの調理工夫についてです。
食物アレルギーの調理は、症状を起こさないようにするために、原因となる食物を食べない、「食物除去」を行うことが基本となります。
食物除去は、自己判断で行うのではなく、お医者さんの正しい診断のもとに必要最小限の食物だけを除去することが重要です。
検査の結果だけで判断したり、思い込みで除去を広げたりすることがないようにしましょう。
そして、食物除去をしながらも食べられるもののなかで、主食、主菜、副菜を組み合わせ、バランスのよい食事から十分な栄養素をとることを心がけましょう。
加工食品のアレルギー表示について
容器包装された加工食品では、特定の食物を原材料として用いた場合、原材料欄にそれを表示することが法律で義務づけられています。
2010年6月現在、表示が義務づけられている「特定原材料」7品目と、なるべく表示が勧められている18品目が法律で定められています(下表)。
ただし、特定原材料7品目以外の食品はその表示が義務ではなく、表示が省略されていることもあるので注意が必要です。
加工食品を購入するときは原材料欄をしっかり見て、不明な点は製造会社に問い合わせるなどして原材料を確認しましょう。
なお、外食や容器包装されていない食品(お惣菜や店頭売りのパンやケーキなど)は、アレルギー表示の法律の対象外です。
特定原材料7品目であっても表示されていないことや、表示されていても法律で定められた厳密な管理はされていない可能性があります。
このように法律の対象になっていないものはきちんと区別し、信頼できるものを選んで利用することが必要です。
表示が義務づけられている7品目(特定原材料)
卵、乳、小麦、えび、かに、そば、落花生
表示が勧められている18品目
あわび、いか、いくら、オレンジ、キウイフルーツ、牛肉、くるみ、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン
鶏卵、牛乳、小麦は“3大アレルゲン”とよばれます。
この他にも食物アレルギーの原因となる食物には、そばやピーナッツ、えび・かになどの甲殻類、果物、豆類など幅広くあげられます。
どの食物がアレルギーの原因になることが多いのかは年齢によって大きく異なり、乳幼児にとっての主な原因食物は3大アレルゲンである鶏卵、牛乳、小麦ですが、学童期以降になると甲殻類や果物類、小麦などが主な原因食物となります。
鶏卵、牛乳、小麦は“3大アレルゲンについて詳しくみてみましょう!
牛乳アレルギーの場合
食べられないもの・・・牛乳と牛乳を含む加工食品
<加工食品の例>
★表示義務あり
ヨーグルト、チーズ、バター、生クリーム、全粉乳、脱脂粉乳、一般の調整粉乳、練乳、乳酸菌飲料、はっ酵乳、アイスクリーム、パン、パン粉、乳糖、洋菓子類の一部(チョコレートなど)、調味料の一部
牛乳アレルギーであっても基本的に除去する必要のないもの・・・牛肉
牛乳の代わりに★
カルシウムが不足しないように、小魚、海藻、青菜、大豆製品などカルシウムを豊富に含む食品を積極的にとりましょう。
また、アレルギーの原因になるたんぱく質を分解してつくられたアレルギー用ミルクは、母乳の代わりとしてだけではなく、牛乳の代わりとしてカルシウムをとるために利用することもできます。
お医者さんに利用できるか相談してみましょう。
<調理の工夫例>
ホワイトソースのルウ→すりおろした いも で代用、またはアレルギー用ルウを使用
洋菓子→豆乳やココナツミルク、アレルギー用ミルクで代用
鶏卵アレルギーの場合
食べられないもの・・・鶏卵と鶏卵を含む加工食品、その他の鳥の卵
<加工食品の例>
★表示義務あり
マヨネーズ
洋菓子類の一部(クッキー、ケーキ、アイスクリームなど)
練り製品(かまぼこ、はんぺんなど)
肉類加工品の一部(ハム、ウインナーなど)
鶏卵アレルギーであっても基本的に除去する必要のないもの・・・鶏肉、魚卵
鶏卵の代わりに★
主菜になる肉、魚、大豆製品、乳製品などでたんぱく質をしっかりとりましょう。
<調理の工夫例>
肉料理のつなぎ→使用しないか、すりおろしたいもやでんぷんなどで代用
揚げものの衣→鶏卵を使用せず水とでんぷんの衣で代用
ケーキなど→重曹やベーキングパウダーでふくらませる
小麦アレルギーの場合
食べられないもの・・・小麦(小麦粉*)と小麦を含む加工食品
- *薄力粉、中力粉、強力粉、デュラムセモリナ粉など
<加工食品の例>
★表示義務あり
パン、うどん、マカロニ、スパゲッティ、麩、餃子の皮
市販のシチューやカレーのルウ
調味料の一部
小麦アレルギーであっても基本的に除去する必要のないもの・・・しょうゆ※、大麦、ライ麦、オーツ麦などの他の麦類
- ※市販されているしょうゆには原材料に小麦の表示がありますが、小麦のたんぱ質は製造工程で分解されてしまうため基本的に除去の必要はありません。
小麦の代わりに★
主食はごはんを中心に、米のパンやめんなども利用してエネルギーをしっかりとりましょう。
小麦粉の代わりに米粉や、あわ、ひえなど雑穀の粉などを利用すると、メニューの幅を広げることができます。
<調理の工夫例>
ルウ→米粉やでんぷんで代用
揚げものの衣→水とでんぷんの衣で代用、または米粉パンのパン粉や砕いた春雨で代用
パンやケーキの生地→米粉や雑穀粉、いもやおからなどで代用
食事の後に、くりかえし「おかしいな?」と感じたら、まずは医師に相談をしましょう。
そして原因食物(アレルゲン)をきちんと診断してもらいましょう。