幼児食アドバイザーによる食育講座の第27講目です。
過ごしやすい気候になってきましたね 🙂
ゴールデンウイークは皆さんはどのようにお過ごしでしょうか?
楽しく安全にお休みを満喫してくださいね!
さて、5月5日は「こどもの日」です。
「こどもの日」として認識が高いですが元々「端午の節句」という五節句(人日・上巳・端午・七夕・重陽)の1つにあたります。
今回は「こどもの日」に食べる柏餅やちまきの由来、それに加えて鯉のぼりと五月人形についてのお話をします!
端午の節句のこの日は、1年目の初節句(生まれて初めての節句)に「難を避ける」という意味のある”ちまき”を、2年目からは新しい芽が出るまで古い葉を落とさない事から「家督が途絶えない」縁起物とされる”柏餅”が食べられます。
柏餅
柏餅の原型は「ぶと」と呼ばれる古代菓子で、米粉を油で揚げたかぶとのような形をした餅でした。
江戸時代に入ってから柏餅が広く食べられるようになったと言われています。
柏餅とは、柏の葉っぱの上に、上新粉とくず粉(片栗粉)を混ぜて作った「しんこ餅」に、あんを挟んだものを置き、柏の葉を二つ折りにして包んだお菓子の事です。
柏は昔から神聖な木とされていたことや、新芽が出ないと古い葉が落ちないことから「子どもが生まれるまでは親は死なない」、すなわち「跡継ぎが途絶えない」・「子孫繁栄」に結びつき、端午の節句を祝う行事食となりました。
ちまき
ちまきを食べる風習は中国から伝わったものです。
餅団子を茅(ちがや)や笹の葉で包んだもので、「難を避ける」という意味があります。
ちまきは中国の故事、「悪龍を避けるために、悪龍の嫌いな楝樹(れんじゅ)の葉で米を包み、五色の糸で縛った」というエピソードに基づいています。
また、「中国戦国時代、楚の国王の側近で人々からも大変慕われていた“屈原(くつげん)”がいました。
国を思う気持ちからの提言に対し、周りからの讒言(ざんげん)により左遷の憂き目に合い、国への将来に絶望し、失意のうちに屈原は川に身を投げた」と言われています。
その命日の5月5日、屈原の死を悲しんだ多くの人々がたくさんのちまきをその川に投げ入れて弔いました。
これが端午の節句にちまきを食べる風習の起源だとも言われています。
鯉のぼり
端午の節句 に「鯉のぼり」を立てるようになったのは、江戸時代の中頃といわれています。
中国の「鯉の滝登り」という故事には、「龍門へと続く黄河を多くの魚が登ろうと試みたが、鯉だけが登りきることができ、最後には龍になった」と書かれています。
この説より、中国では「鯉」は出世魚として重んじられており、日本でも江戸時代より「鯉のぼり」の習慣が一般化し、子供の立身出世の象徴として立てられるようになりました。
最近ではベランダ用など手軽に飾ることのできる小さめのサイズも多く出回っています。
五月人形
端午の節句に飾る鎧飾りや兜飾り、武者人形などを五月人形と呼びます。
これらは御守りのような意味を持っており、子供にふりかかる災難を人形に身代わりとなってもらい、我が子が健康で育つようにとの願いが込められています。
青空を元気に泳ぐこいのぼりは、とても勇壮で、見ている私達にもパワーを与えてくれます。
最近では、こいのぼりの数も減りつつありますが、こいのぼりや五月人形に込められた思いを知り、昔ながらの慣わしを大切にしていきたいものですね。
そして、こどもの日には家族団らんで柏餅やちまきをいただきましょう!