実体験を盛り込んだマタニティ・小児歯科講座の第32講目です。
朝晩と涼しくなり過ごしやすくなってきましたね!
さて、前回に引き続き、お子さんを持つ親御様からのさまざまなご質問についてお話ししていきたいと思います。
今回は、お母さんから虫歯がうつるのは本当ですか?
と、いうご質問についてお話しします。
虫歯菌(ミュータンス菌)は、歯質のような硬いところにしか住むことができません。
そのため、まだ歯が生えていない赤ちゃんのお口の中には虫歯菌が存在しないのです。
では、いつ虫歯になってしまうのでしょうか?
実は、虫歯菌は大人の口から赤ちゃんの口へうつることが分かっています。
しかも、感染源のほとんどは家庭内といわれています。
特に、赤ちゃんのお世話をする機会が多いお母さんからの感染がもっとも多いため、「母子感染」とも呼ばれています。
赤ちゃんの虫歯予防について気をつけたいポイントについてご紹介したいとおもいます。
赤ちゃんのためにしていたこと(していること)が、実は虫歯の感染につながっていることがあります。
以下のような行動に心当たりはありませんか?
それ、虫歯感染の原因かも……
- 哺乳瓶に直接口をつけて、ミルクなどの飲み物の温度を確かめる
- 赤ちゃんのスプーンや食器などを使って味見をする
- 自分が使ったスプーンや食器を赤ちゃんにも使用する
- 硬いものを噛み砕くなど、赤ちゃんの食べ物を親御さんの口に含む
- 赤ちゃんが口にしやすい手や食器、おもちゃなどに口をつける
- 赤ちゃんの口にキスをする
しかし、こういった行為を完全に控えるのは大変なものです・・・
感染ルートを遮ることができればベストですが、それよりも効果的な方法があります。
それは、感染源であるご家族全員のお口の中から虫歯菌の数を減らしておくことです。
虫歯経験者のお口の中には、少なからず虫歯菌がいます。
お母さんとお父さんが歯科医院で歯の虫歯治療とクリーニングをしておくといいでしょう。
少なくともお子さんが1歳になるまでにはご両親の虫歯治療を済ませるのと、その後定期的にクリーニングを受けお口の虫歯菌の量を減らす事が大切です。
これはお子さんの為だけでなく、ご自身の歯の寿命をのばすためにも一番重要です。
歯科医院での予防処置によって虫歯菌を減らすことができますので、ぜひ活用しましょう。
特に気をつけるべき時期はいつ?
虫歯の感染リスクが高まるのは生後19~31ヶ月(1歳半~2歳半)で、この時期を「感染の窓」と呼ぶこともあります。
2歳までに乳歯の虫歯感染を防ぐことができれば、その後生えてくる永久歯が虫歯になるリスクを10分の1程度に抑えられるというデータもあります。
この時期にいろいろ注意してあげることで、その後のお口の健康管理が楽に行えるようになるのです。
藤村歯科クリニックでは虫歯の予防処置だけでなく、お子さんの歯の磨き方のアドバイスしていますので、お気軽にご相談ください。