歯科衛生士がお話しする歯の講座の第38講目です。
皆さんは、節分の日は豆まきをしたりや恵方巻を食べましたか?
私は、その後節分の豆の後片づけに苦労した日でした・・・ 😯
さて、今回は 酸蝕歯を上手に防ごうというテーマの第一回目で、酸蝕歯は虫歯とどう違う?というお話しをしたいと思います。
むし歯は一部分、酸蝕歯は広範囲
歯は、カルシウムやリンなどのミネラル成分でできていて、酸にふれると化学反応が起こり分解されて溶けてしまいます。
むし歯は、むし歯菌が出す酸によって歯が溶ける病気で、歯の溝や歯と歯の間など、汚れのたまりやすい場所から歯が溶け始めます。
ですので、むし歯のできる範囲はだいたい限られています。
それに対して、酸性の食べ物や飲み物がお口の中に入ってきて、繰り返し歯と接触することで溶け始める現象を「歯の酸蝕」といい、酸蝕によって病的に溶けてしまった歯を「酸蝕歯」と呼んでいます。
飲食物はお口全体に行き渡りますから、広範囲の歯に被害が拡大します。
胃酸でも歯は溶ける
歯が溶ける原因は、むし歯の出す酸だけではありません。
身近な市販の酸性飲食物でも、その食べ方・飲み方次第では歯が溶けます。
この場合、酸性飲食物をとった直後の歯の表面はやわらかくなっています。
また、持続性の嘔吐がある場合でも、胃酸の影響で歯が溶けます。
唾液が酸を中和する
酸性飲食物を飲んだり食べたりしても、すぐに歯が溶けずに済んでいるのは、唾液が歯を補修しつづけているからです。
唾液の洗浄作用により酸が洗い流され、また緩衝作用により口腔内が中和され、さらには唾液に含まれるミネラル成分によりエナメル質が補修されて「溶ける+補修する」というバランスが保たれることで歯の健康は維持されています。
今回は酸蝕歯になる仕組みを、むし歯と比較しながら説明させていただきました。
次回は酸蝕歯の症状についてお話ししたいと思います。