歯科衛生士がお話しする歯の講座の第44講目です。
だいぶ暖かい日が多くなり、春の装いを楽しむ毎日です。
花粉の時期もあと少しと聞きとても嬉しいです 😉
さて、歯科衛生士がお話しする歯の講座では前回、入れ歯の使い方についてお話ししました。
今回は引き継いで、入れ歯の使い方の⑵です。
入れ歯の安定剤って使っていいの?
入れ歯安定剤の使用が入れ歯の維持や安定に役立ち、使い方によっては患者さんのQOL向上に役立つ場合のあることがわかってきました。
利点
入れ歯安定剤を使用することで得られる効果は、
-
以前はできなかった物を噛み砕くことができるようになる。
-
口の中が小さいなどの理由から、正しい形の入れ歯を作ることができなかった人の入れ歯を安定させることができる。
つまり、噛む力の弱い高齢者の方などは、入れ歯安定剤を使用する・使用しないで、効果が変わる人も少なくありません。
欠点
歯科医師の中では、入れ歯安定剤の使用はお勧めしておりません。 その理由は、
-
入れ歯はその人の口にぴったり合うように作られている。
-
入れ歯安定剤の使用により、歯茎が痩せてしまう。
-
化学薬品を使用しているため、アレルギー反応など人体に異変をもたらす可能性がある。
つまり入れ歯安定剤を使用した時点で、すでに入れ歯と口の中が合っていないということなのです。
さらに、入れ歯と歯茎の間に安定剤が入ることで歯茎に刺激が伝わりにくくなり、歯茎が痩せてしまう原因になります。
正しい量や使い方の指導を受け、しっかり守ることができれば、痛みや人体へのリスクも無く、 快適に使用することができるのです。
カラオケや外食の時にだけ使うという方もいます。
入れ歯の調整を十分に行い、入れ歯安定剤の利点・欠点を説明したうえで、使用するかどうかは患者さんご自身の判断にゆだねられています。