BLOG歯庵~歯科衛生士がお届けするオーラルヘルスの豆知識・当院での治療症例~

2018.06.07

実体験を盛り込んだマタニティ・小児歯科講座56~妊婦さんの歯科治療③     

実体験を盛り込んだマタニティ・小児歯科講座の第56講目です。

いよいよ梅雨入りしましたね。
雨が続くと大変なこともありますが、家の中での快適生活を探すチャンスかもしれませんね 😮

さて、妊婦さんの歯科治療③ということで、最後の締めくくりをしたいと思います。

赤ちゃんのためにも歯科検診を受けましょう。

妊娠は女性にとってお口の健康の曲がり角といわれています。
前回からお話ししているように、妊娠中はお口の健康を保ちづらい条件がそろうので、お口の悩みが生じやすいです。
多くの方が、おなかの赤ちゃんを気遣うあまりに必要な受診を避け、お口の悩みをついそのままにしてしまうことがあります。
しかも出産後は、子育ての忙しさで自分のことは後回しになってしまいます。
気づいた時には大掛かりな治療が必要になるほど悪化していることもあります。
ことに、出産を機に家庭に入るかたは、職場で健診を受けなくなり健診の機会が減るため、むし歯や歯周病が進行していることに気づかないまま過ごしてしまいやすいのです。
歯科医師や歯科衛生士は、つい自分のことを後回しにしがちな女性たちに向けて、「妊娠したら、必ず妊婦歯科検診を受けましょう」と呼び掛けています。
歯科検診で自分のお口の中の状態を知り、プロのアドバイスで口腔環境を効率よく改善したり、大事にならないように小さな処置でトラブルを止めて、お口の健康状態を長く保っていただきたいと思っているからです。
妊娠中の歯の治療で気になることでよく質問を受けるのがレントゲンです。
歯医者さんで使用しているレントゲンは放射線量が微量です。
口全体を写す場合でも1回につき約0.04ミリシーベルトほどです。
1年間で人間が自然に浴びている放射線量は2.4ミリシーベルトほどで、胎児に影響を及ぼす放射線量は50~100ミリシーベルトといわれていますから、ほとんど心配しなくてもよい数値といわれています。
また、レントゲン撮影する際には防護エプロンも着用します。
あと、忘れてはならないのが「妊婦さんのお口の健康は、自分のためだけではない」ということです。
妊婦さんのお口の健康は「お腹の赤ちゃんの育ちや、将来のお口の健康に直接的・間接的に影響する」のです。
歯周病の炎症は、おなかの赤ちゃんの成長に影響するといわれ、虫歯菌や歯周病菌がお口から体内に入り込んでしまうと、妊娠37週未満で出産してしまう早産や、新生児の体重が2,500gに満たない低体重児出産を引き起こす可能性があるといわれています。
またお母さんのお口のケアが不十分で虫歯菌がたくさんいると、生まれてきた赤ちゃんのお口に虫歯菌がうつりやすく、お子さんの生涯のむし歯リスクを決定づけてしまうようです。
「母子手帳」をもらったらぜひ「妊婦歯科検診」をうけ、歯科検診のページを空欄にしておかずに活用してください。
信頼できるかかりつけ歯科医院をもちましょう。
ご自身のお口の中はもちろん、これから始まる子育ての中で、お子さんのお口の健康を守るための大きな支えにもなるでしょう。
藤村歯科クリニックではそのお手伝いをさせていただきます。

 

 

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