歯科衛生士がお話しする歯の講座の第65講目です。
上半期も終わり下半期に突入いたしました。
先日、藤村歯科クリニックでは院内勉強会を行いました。
下半期も、患者様に安心して来院していただける医院づくりをしていきます。
さて、「補綴」ほてつっていう言葉を聞いたことがありますか?
失われた歯の代わりに、人工物を使って歯の働きを補う治療のことです。
みなさんのお口の中には「補綴物」はありますか?
仮歯には2種類あります。
1いわゆる仮歯
英語で言うと・・・テンポラリークラウン
テンポラリー(意味)一時の、間に合わせの
色や形、機能面を厳密に再現するというより、歯科治療中の患者さんが、食事や見た目で困らないようにするのが目的で使用する「いわゆるふつうの仮歯」です。
目的1・・・しみないように
目的2・・・見た目が困らないように
2プロビジョナルレストレーション
プロビジョン(意味)先を見越した準備
レストレーション」(意味)復元、再現
かぶせ物の最終的な色や形、機能を徹底シュミレーションするための仮歯です。
何度か修正を繰り返し、仕上がったら、これを型取りして本番のかぶせ物を作ります。
目的1・・・しみないように
目的2・・・歯が動かないように
目的3・・・色や形を検討してお好みの見た目に
目的4・・・患者さん自身が本番のかぶせ物が入ったらお手入れしやすいか確認
普通の仮歯と違う点・・・実際に患者さんのお口の中で使っていただきながら、色や形、装着感、歯ぐきとピタリと合うか、かみ合わせ、食べものが詰まらないか、セルフケアしやすいかを確認し、厳密な修正を何度も行って仕上げる点です。
「想像していたものと違う」といった残念な事態を避けることができます。
調整過程で患者さんご自身の感想やご要望を反映させることができ、歯科医師が機能や審美性、そして、まわりの歯ぐきの健康状態をじっくりと確認して治療を進められるので、仕上がりのクオリティはおのずと高くなります。
しかし、こうやって仕上げていくと、見た目も噛みごこちも良いので、なかにはこの時点で満足して、途中で治療に来なくなってしまうかたがいます。
「仮歯がはいったから」と、来院を中断しないで!
仮歯やプロビジョナルレストレーションの素材は、削って調整しやすいように歯科用プラスチックでできています。
汚れがしみこむので、やがては細菌の巣となり、歯ぐきの炎症や、変色、悪臭を引き起こします。
また治療のために外せるように、仮付け用の弱いセメントで接着剤が使われているので、ほっておくと仮歯との隙間から虫歯が入り込んでしまうこともしばしばです。
「とりあえず仮歯が入ったから」と治療を中断しないようにしましょう。
次回へ続く