歯科衛生士がお話しする歯の講座の第70講目です。
8月もいよいよ残りわずかとなりましたね。
毎日使う歯磨き剤のチョイスはお口の健康にとても大切です。
しかし、市場にはさまざまな歯磨き剤があり、どれを選べばいいのか迷ってしまうかたも多いでしょう。
そんなあなたにお口にぴったりあった歯磨き剤を選ぶためのヒントを教えます。
歯磨き剤は歯磨きの清掃効果を高めるものです。
歯磨き剤の「汚れを落とす力」=清掃力は、清掃剤として配合されている「研磨剤」で決まります。
研磨効果は強ければいい、弱ければいいというというわけではありません。
自分のお口の状況を知って、目的にあったモノを選ぶポイントです。
あなたの歯磨き剤はどのタイプ?
歯磨き剤選びがとても難しくなっています。
同じブランドでも種類がたくさんあり、手に取ってラベルを読み比べないと、違いがわからないこともあります。
まずは、歯磨き剤のタイプを見てみましょう。
歯磨き剤には大きく分けて、2大疾患別に「虫歯予防」「歯周病予防」、汚れの種類別に「プラーク除去」や「着色除去」、「ヤニ取り用」そのほかケアの対象別に「歯ぐき(歯肉)」や「歯根面」、さらには目的別として「ホワイトニング」や「美白」、「知覚過敏」などのタイプがあります。
商品のパッケージや特徴を示す言葉から、主に何を得意とするタイプの商品なのか、参考にするとよいといわれています。
タイプごとに異なる研磨効果
どの歯磨き剤も多くの製品に歯の表面の汚れをかき取るための清掃剤(=研磨剤)が配合せれています。
しかし、かきとる効果は製品を見ただけではわからず、しかも、きわめてマイルドなものからかなり強いものまで大きな開きがあります。
といっても、研磨剤の研磨効果の強さはもちろん上限が決められています。
ヤニ取りや美白、ホワイトニング目的の歯磨き剤は研磨効果が強く、次いで、プラーク除去にむし歯効果です。
歯周病予防や歯ぐき、歯根面などデリケートな部分をターゲットにした製品は、研磨効果がマイルドになる傾向があるといわれています。
また、子ども用の歯磨き剤は、同じブランドでも大人向けの歯磨き剤よりも研磨効果を抑えた設計になっています。
これは、乳歯や生えて間もない永久歯はまだエナメル質が成熟しておらず、大人の歯よりやわらかいためです。
ですから、永久歯が生えまじめたばかりのお子さんに大人用の歯磨き剤を使わせるのはおすすめできません。