歯科衛生士がお話しする歯の講座の大72講目です。
涼しくなったり暑さが戻ったりと気温の変化がある日々ですね。
体調管理にお気を付けください!
さて、歯磨きの仕方って「本当のところ、どれが正解なのかな?」ってまよってしまうことありませんか?
毎日磨いているのに虫歯になってしまったり、磨いているつもりでもなぜか虫歯になってしまったり・・・
歯みがきの目的をいま一度確認し、目的を達成するためには何をしたらいいのかをお話しします。
お悩みにお役に立てればと思います!
歯みがきのターゲットを!!
「歯磨きの目的」はなんでしょう?
「虫歯や歯周病の予防」?
たしかにそれだけでは歯磨きの具体的なターゲットが明確になりません。
歯みがきの目的はズバリ、「悪さをする細菌を減らすこと」です。
みなさんを悩ます歯科の病気の代表格といえばむし歯と歯周病ですが、むし歯と歯周病菌はそれぞれの性質が違い、くっつく場所もしつこさも違います。
ターゲットを狙い除去効果を上げるには、まず敵を知ることが必要です。
むし歯や歯周病菌がどこでどんな悪さをするのかみていきましょう。
プラーク(歯垢)
ゆるやかかにつながった細菌集団でバイオフィルムほどのしつこさはまだないが、歯と歯茎のあいだにできた歯周ポケットなどに溜まりやすい。
軽石状で穴ぼこだらけの歯石にこれが入り込むと歯ブラシでは除去できず、歯周病菌が炎症を引き起こす原因になります。
歯科医院で歯石ごと除去してもらいましょう。
歯周病菌
歯の健康に大きな被害をもたらすのが、歯周ポケットのなかに潜む歯周病菌。
歯周病菌の出す毒素が、歯ぐきや歯、支える骨に炎症を起こし「歯周病」を引き起こすといわれています。
一晩で1000倍に増殖するので日々の除去は必須です。
空気が苦手で、奥へ奥へ隠れたがるため、除去はなかなかやっかいです。
バイオフィルム
細菌がつくる多糖体のじょうぶな膜で、排水管のヌメヌメの仲間です。
歯にべたべたくっつきます。
殺菌剤がしみこみにくいので、バイオフィルムのなかは虫歯菌をはじめとする細菌たちの楽園です。
熟成して強固にくっつくには3~4日かかるので、歯ブラシでこすり1日1回は取り除いておくことが肝要です。
虫歯菌
歯面にくっついたバイオフィルムの上部」な膜をシェルターとし、なかにたてこもってヌクヌクと増殖します。
砂糖が大好きで、さかんに食べてはじゃんじゃん酸を排泄するために、バイオフィルムのなかは酸でいっぱいになります。
この酸が菌を溶かして「虫歯菌」ができるといわれています。
続きは次回に・・・