BLOG歯庵~歯科衛生士がお届けするオーラルヘルスの豆知識・当院での治療症例~

2019.01.14

歯科衛生士がお話しする歯の講座82~歯の着色どうやって起こる?~      

歯科衛生士がお話しする歯の講座の第82講目です。

インフルエンザが流行っているようですね・・・
みなさん体調にお気を付けてお過ごしくださいね!

さて、毎日使う歯磨き剤のチョイスは、お口の健康にとても大切です。
ですが、市場にはさまざまな歯磨き剤があり、どれを選べばいいのか迷ってしまうかたも多いでしょう。
今回は歯の着色どうやって起こる?というテーマでお話します。

「毎日磨いているのに着色してしまうのはなぜでしょう?」

着色のメカニズムは、専門的には歯の表面のカルシウムに「ペリクル」とよばれる唾液タンパクが付着し、その上に着色性の色素、タンパク、金属イオンなどが重なって少しずつ色が濃くなっていくといわれています。
では、歯の着色をまねくものにはどんなものがあるのでしょう。
とくにポリフェノールをたくさん含んだ食品は、もっとも着色の原因になるとされています。
最近は健康志向の高いかたも多く、抗酸化作用の高いポリフェノールを積極的に摂る傾向があります。
お茶のカテキン、赤ワインのタンニン、コーヒーのクロロゲン酸、チョコレートのカカオマスポリフェノール、ブルーベリーのアントシアニンなどが有名です。
炭酸飲料や酢、レモンなど、酸性のものや柑橘系のものを一緒にとると着色しやすくなるともいわれています。
黒酢を飲む人が着色しやすいのっはその例ですね。
食品以外では、ヤニの原因となるタバコのタールはもちろん、一部の医薬品、洗口剤、うがい薬なども着色の原因もなることがあります。

着色を落とすとしたらどうやって落としますか?

ほとんどの人は歯ブラシでこするのではないでしょうか。
もちろん歯磨き剤をつければ清掃剤の効果で着色を落としやすくなります。
でも、あまり毛の硬い歯ブラシや、研磨剤の強い歯磨き剤で頻繁にゴシゴシやるのはお勧めできません。
硬い歯の表面も、傷ついたりすり減ったりするからです。
歯磨き剤のなかには、着色汚れを落としやすくする成分が含まれているものがあります。
代表的な成分は「ポリエチレングリコール」、別名「マクロゴール」と呼ばれるものです。
似たようなものに「ポリビニルピロリドン」もあります。
これらは浸透力が高いので、汚れの隙間に入り込んで浮き上がらせる効果があるのです。
また、歯のカルシウムとの結合力の強い「ピロリン酸ナトリウム」や「ポリリン酸ナトリウム」は、着色物質をはねのけてくれるのでゴシゴシみがかなくても着色が落ちやすくなります。
同じような食品を取っていても、着色しやすい人としにくい人がいます。
その差は、じつは歯の表面の状態やお口の中の環境が影響します。
本来の歯の表面がなめらかでないと着色しやすくなります。
唾液が少ない人は、汚れを自然と洗い流す効果が働きにくくなるために着色しやすくなります。
口呼吸やお口の癖が、いつもくちびるが閉じていない人の前歯が着色してしまうのは、唾液に触れずに歯の表面が乾いてしまうからです。

ご自身のケアでうまくいかない、着色の原因がわからないというかたは、自己流で対処する前に歯科医院に相談してみるといいでしょう。

 

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