歯科衛生士がお話しする歯の講座の第86講目です。
3月に入り少しずつ春を感じるようになってきましたね。
そして・・・花粉症もやってきましたね 。
さて、年齢とともに知らず知らずに起きてくる、お口のなかの唾液不足。
唾液不足になると、お口の中がパサパサしたり、虫歯が増えたり、口臭が強くなったりもします。
ちょっとした工夫で改善してみましょう。
クッキーやビスケットをお茶なしで食べると、パサパサして飲み込みづらかったり、歯茎と前歯のあいだにクッキーが入り込んで張り付いて気になったりという年配のかた、いらっしゃると思います。
パサパサして食べにくい食べ物として、こうした焼き菓子のほかに思い当たるものがカステラ、そして茹でた鶏のささ身や卵など。
皆さんに普段のお食事のついてお聞きしているなかで、「そういえば以前は好きだったのに、最近ちっともカステラを買わなくなったわ」などというお話があると「もしかして?」と、まず疑うのが唾液不足といわれています。
年齢とともにこのみが変わったというよりは、お口の変化に合わせて、食べ物の好みが変わっていくケースも頻繁に目にするからです。
以前は好んで食べていたけれど、パサパサするから最近は好きではなくなった、というものがあったら、ふだん気に留めていないお口の変化についてぜひ意識してみましょう。
というのも(服用が必須な持病のお薬の影響など避けられない理由で起きるものもある一方)お口の周りの筋肉がやせてきたり、舌の動きが弱くなったりして、唾液腺への刺激が少なくなることでも起こりがちです。
早めに気づきちょっとした工夫を毎日の生活にプラスすると、楽になる場合が多いのです。
唾液分泌マッサージ
耳下腺マッサージ
耳たぶの少し前、上の奥歯があるあたりをやさしくマッサージしてみてください。
さらさらの唾液が出ます。
顎下腺マッサージ
あごの内側の柔らかい部分に指をあててやさしく押します。
さらさらとネバネバの唾液が出ます。
舌下腺マッサージ
あごの下の内側の下の付け根に指をあててやさしく押します。
ネバネバの唾液が出ます。
歯磨きのついでに!
歯磨きが終わったら、歯ブラシの背中で頬の内側をマッサージしてみましょう。
耳下腺からサラサラな唾液が出ます。
お口の渇きを引き起こす病気?
お口の渇きには、年齢や持病の薬の副作用など一般的にみられる原因のほか、唾液腺の病気や自己免疫疾患、内分泌異常などが隠れていることもあります。
お口のなかがパサパサでつらいときは、我慢せずに歯科や口腔外科を受診しましょう。