実体験を盛り込んだマタニティ・小児歯科講座の第26講目です。
真夏のような暑さがあったりと、5月の陽気とはほど遠く感じる日々ですね。
あっという間に上半期も残り1か月となりましたね。
さて、仕上げ磨きマニュアルのお話の続きをしていきたいと思います。
今回は痛くない仕上げ磨きや虫歯になりやすい場所についてお話しします。
仕上げ磨きで最も重要なのは、「安全であること」です。
歯ブラシは、安全性を第一に作られてはいますが、それでも、お口に入れる棒状の道具であることには変わりはありません。
ですので、お子さんの姿勢もお母さんの姿勢も安定していることが大事です。
お母さんは床に座り、お子さんはお膝の上であおむけになってもらいましょう。
ときどき、おふろでお子さんを立たせたままするという方がおられますが、お子さんが滑って転んだら大変です。
それに立ったままだとお口の中はよく見えません。
仕上げ磨きを嫌がられないコツとして、親御さんにまずお勧めしたいのが、仕上げ磨きの腕を上げることです。
楽しい雰囲気づくりをいくらくふうしても、肝心の歯みがきが痛くては仕上げ磨き嫌いは直りません。
「もう痛いことはされない」というお子さんの信頼を取り戻すためのちょっとしたコツを教えましょう。
一番のポイントは「いかに視野を広げるか」です。
歯ブラシの動きを目で見て確認できないと、うっかり痛いところにあててしまう原因になります。
お口の中は見えにくいですが、お膝にゴロンと寝かせ、唇や頬を指で上手によけることで見えてきます。
ただし、唇や頬をよけるときは、くれぐれも指の腹でよけてください。
爪が当たってしまうととても痛いです。
爪を伸ばしている方は、とくにご注意ください。
虫歯になりやすい場所は?
母乳やミルク中心のころはそれほど心配いらないのですが、上下に前歯が生えて、離乳食が進み始めたら虫歯ができやすい環境になります。
とくに哺乳瓶で飲んだときにミルクやジュースのたまり場となる前歯の周辺は要注意です。
赤ちゃんが大好きな果物ジュースや野菜ジュース、イオン飲料には糖がたっぷり入っているうえ、酸性の果汁やイオン飲料がやわらかい乳歯を溶かすので油断大敵です。
奥歯が生えてくると、いろんなものが噛めるようになり、離乳食が進みます。
甘いものを食べる機会も増えるので、仕上げ磨きは必須です。
乳歯の奥歯は丸みがあって大きく、かみ合わせ面には複雑な形の溝があります。
歯の隙間は隣同士「面」で接しているので汚れがたまり虫歯になりやすい場所です。
そこで奥歯の隙間をフロスでお掃除しましょう。
続きはまた・・・