歯科衛生士がお話しする歯の講座の第91講目です。
お久しぶりの講義になります。
猛暑が過ぎ、夏の終わりを感じはじめますね。
さて、治療をしていくなかで仮歯を入れた方いますよね。
仮歯のだいじな役割をご存知でしょうか。
歯の治療にとって、とても重要な役割を担っている仮歯。
たんに、見た目のためだけに使われているわけじゃありません。
治療中の歯が細菌まみれになるのを防いだり、歯が動いて、いざ出来上がった被せ物をいれようと思ったら入らない、なんてことを防いだりして、治療のカギを握っているんです。
仮歯がとれちゃったとき、まさかそのまま放っておいたり、捨てちゃったりとかはしていませんよね。
よい被せ物を作るため、仮歯の重要性をぜひ知ってください。
仮歯はつけたり外したり!
仮歯は、歯根の治療や被せ物の製作中など治療途中の歯に被せる人工の歯です。
本格的に噛むほどガッチリとつけたりしたら、次の治療をするときにスムーズに外れず、治療中の歯を傷めてしまいます。
そのために外しやすいようにわざと弱めのセメントでくっつけてあります。
仮歯の素材もプラスチックです。
長期間の使用を前提としないので、耐久性のある硬い材料より、形の調整に便利な材料が選ばれています。
そのため強くかむと割れやすいのです。
こんな仮歯ではありますが、じつは患者さんにとって切実な「見た目の回復」や「息もれを防いで話しやすくする」といった役目以外にも、歯科治療のクオリティをあげ、患者さんの歯を守るという大事な働きがあることをご存知でしょうか。
みなさんが仮歯を大切にしてくださると、歯科医師はよい治療をご提供できるので、とても助かります。
良質な治療を支えています。
仮歯は、治療の段階によってもその重要性や意味合いに違いがあります。
仮歯は必要があって入れているので、もし仮歯がとれてしまったらすぐ歯科医院に連絡をしてください。
仮歯は大きくわけて3つの役割を担っています。
①削った歯を細菌感染や刺激から守る・・・仮歯は包帯のように細菌の感染やしみる症状から歯を守ります。
②歯型をとったあと歯が動かないように固定する。・・・歯は放っておくと自然に動きます。
土台の歯が動いて、出来上がった被せ物が入らなくならないよう固定します。
③「噛める」状態を維持する・・・治療中も噛んで食べられるようにします。
しばらくかまずにいると食感のセンサーがなまけます。仮歯をつかって噛むことを慣らしておきます。
続きは次回・・・