歯科衛生士がお話しする歯の講座の第119講目です。
上半期も終わりましたね!!!
あっという間だったと感じる方と、ゆっくり感じたかた様々かと思います。
下半期はどんな日々でしょうか( *´艸`)
さて、患者様からご質問を受けるのですが、よく質問を受ける内容をお話ししたいと思います。
歯の根の部分にむし歯ができていると聞いたけどどういうこと??
歯の根元の部分は、頭の部分に比べてむし歯になりやすいです。
なぜなら、根元の部分はエナメル質に覆われておらず、象牙質が露出しているからです。
象牙質は、エナメル質に比べて酸に溶けやすくむし歯になりやすいです。
象牙質がむし歯になりやすいのはなぜ?
エナメル質はpH5.5より低くなると溶け始めます。
一方、象牙質は6.0~6.7程度で、エナメル質よりも酸に溶けやすい性質があります。
通常プラークはpH7付近の中性です。
砂糖などの糖質を摂ると、プラーク中で酸が産出されます。
そのあと、唾液の作用によりもとのpHに戻りますが、一時的にはpH4.4程度まで低下します。
エナメル質は約95パーセントが無機質で、有機質は1パーセントていどであるのに対して、象牙質は無機質が約70パーセント、有機質が約20パーセントで構成されています。
そのため、象牙質はエナメル質に比べて軟らかい(硬度が低い)のです。
無機質が酸で溶け出すだけでなく、有機質が分解されることでも、むし歯は進行します。
また、無機質が溶けて、残った有機質のすき間に細菌が侵入してとまることで、さらなる歯の根元のむし歯の進行の原因になるといわれています。
エナメル質と違い、象牙質の表面にはたくさんの穴があります。
そのため、象牙質では、この穴を通じて象牙質内部に細菌が侵入したり、酸がはいりこんできます。
歯の根元のむし歯がエナメル質の虫歯と違って進行が速いのは、この穴の存在が大きく関わっています。
歯の根元のむし歯予防にはどんなことが効果的?・・・
より高濃度のフッ素が効果的といわれています。
エナメル質に比べて無機質が少ない象牙質は、エナメル質に比べてフッ化物がとまりにくい性質があります。
普段の歯磨き粉にはフッ素が配合されているものがほとんどですが、フッ化物濃度が1500ppmを超える歯磨剤は市販されていません。
出来れば、歯の根元にむし歯のリスクを抱えている方は、歯科医院で定期的にフッ素塗布を行うことをおすすめします。