歯科衛生士がお話しする歯の講座の第122講目です。
もう7月の下旬ですね。
最近、運動不足解消のために家の中でダンスをし始めましたが、なかなか上手くいかないですね(;’∀’)
皆さんも、この夏を乗り切るために家での運動をしてみてはいかがでしょうか。
さて、前回に引き続き危険な接点2というテーマでお話したいとおもいます。
口の中の衛生状態を良好に保つことが、免疫力を維持し、また口腔内の細菌を血管の中に送り込むことを防ぐうえで重要だということはおわかりいただけたでしょうか。
具体的にどんなことをしたらいいでしょうか。
3か月ごとの歯科検診とホームケアが大切
唾液に含まれる善玉菌が歯の表面に繁殖して3か月ほどたつとそこを足場にして歯周病菌などの悪玉菌が生着し、バイオフィルムという強固な膜を作って有害性を示すようになるといわれています。
なので3か月に1度の定期健診でクリーニングをし、口腔細菌のバランスを安定させることが重要といわれています。
ホームケアとは
一般的な食後の丁寧な歯磨きはもちろん、糸ようじ、フロスによる歯間の清掃、そして舌の表面を専用の舌ブラシで清掃することが有効といわれています。
40歳以上の8割が歯茎に異常
オーラルケアは、新型コロナに対する感染予防、重症化防止に役立つだけでなく、歯周病などの歯科疾患予防にも役立ちます。
歯周病とは、歯肉に炎症が起きる「歯肉炎」と歯周組織に炎症が起きる「歯周炎」の総称です。
歯を支えている歯槽骨が溶けて、さらに進行すると歯が抜け落ちてしまいます。
日本では40歳以上のおよそ8割が歯茎に何らかの異常がある、という報告もり、だれもが警戒すべき病気です。
歯周病の怖さは単に「歯を失う」というだけではありません。
放置すると命に係わる重大疾患の温床となるといわれています。
歯と歯茎のポケットにプラーク(歯垢)がたまって歯周病は進行します。
放置すると歯周病菌が歯茎から血管に入り込み、全身をめぐって様々な病気を引き起こします。
脳梗塞や心筋梗塞、糖尿病、早産や低体重児出産などの原因や増悪因子となり得ます。
高齢者に多い「誤嚥性肺炎」は口腔内の細菌が誤って気管支から肺に入り込んで炎症を起こす病気です。
がんや心臓病、脳血管障害などとならんで日本人の「死因」の上位に顔をだす恐ろしい病気だが、これにも歯周病は関与します。
甘く見るのは危険です。
これらの病気は、日々のオーラルケアと定期的な歯科検診の受診により、リスクを大幅に下げることができます。
丁寧なブラッシングや舌の清掃は、新型コロナウイルス対策としてまだまだ十分でないかもしれませんが、様々なウイルスへの感染を防ぐ上で、きわめて重要な取り組みといえるのではないでしょうか。