歯科衛生士がお話しする歯の講座の第124講目です。
最近は体温より高い気温の日が続いたりしてますね。
本当に熱中症には気を付けなければならないですね。
さて、お口のなかの状態が全身の健康や人生にどうかかわっていくのか、前回もお話ししたオーラルフレイルも盛り込んでお話したいと思います。
自分の歯で食べられる喜びがテーマです。
人生を豊かにすることの一つとして、食事があげられると思います。
人生、最期まで口からおいしく食事をしたい、それが本望ではないでしょうか。
歯科医療従事者としても、自分の口で食べていただきたいというのが目標としている方が多いのではないでしょうか。
噛むことで、栄養があるものを摂り入れられるのはもちろん、「好きなものを好きなように食べること」自体が、皆さんの喜びにつながっているのではないでしょうか。
きゅうりのパリっとした食感、葉物野菜のシャキシャキ感、揚げ物のサクサクした食感、豆腐のフワフワ感・・・。
噛んだ時の感覚を楽しみながら食事をしたいというのは、人間の本能的な欲求なのではないでしょうか。
「自分の歯で食べられる環境づくり」はとても重要だと思われます。
身体を支える筋肉や噛む力を維持すること、そしてもちろん健康な歯を残すこと、好きなように食事をすることで、人生の満足度は大きく変わるといえるのではないでしょうか。
歯科医院でセルフケアの方法を一緒に考えたり、定期的なメンテナンスを受けることも重要ですが、まずは歯で噛めることの価値を改めて見つめなおしてみましょう。
ただ歯科医院にくるだけ、になっていた日が、少し角度が変わるかもしれません。
ご自身で歯を磨けるというのも当たり前ではないのです。
もしかするとどちらかの手が使えなくなってしまうかもしれません。
利き手でない手で磨く日が来るかもしれません。
誰かにみがいてもうらうようになるかもしれません。
いままで使っていた歯ブラシがつかえなくなるかもしれません。
歯科医院に来院して定期健診を受けて、「ここでやってもらうのが楽しみ、気持ちがいい」それはその時はいいのかもしれません。自分で磨ける、状態を維持する、さらに技術更新、そうなると将来も健康に過ごせるというのがさらに深まるのではないでしょうか。
歯科医院で毎日ケアできるわけではありません。
ご自身で最期までケアして自分の歯で食べる、これが人生を豊かにするひとつといえるのではないでしょうか。