歯科衛生士がお話しする歯の講座の第125講目です。
危険な暑さが続いていますね。
洗濯物の外干し中でさえも、うだるような暑さで毎日一苦労です(;’∀’)
さて、紫外線対策に、日焼け止めや美白コスメが大人気ですね。
そのかげで、子どもたちの歯に思わぬ事態が起きていることをご存じでしょうか。
紫外線をあびることで体内で合成されるビタミンD。
骨や歯の成長に必須なこのビタミンが欠乏しているお母さんたちの胎内で育ち、母乳で育てられたお子さんたちに、エナメル質の出来が悪くて歯が弱い「エナメル質形成不全」が急増しています!!
10年ほど前に「10人に1人いる」という学会発表があったようですが、日本小児歯科学会の最新調査では、軽度のお子さんも含めると、いま小学1~2年生の約5人に1人が「エナメル質形成不全」といわれています。
エナメル質のできに問題がある場合、その時期に育ちを阻害する何らかの問題が起きているとされています。
乳歯ならば妊娠4~5カ月くらいでエナメル質ができてくるので、おそらくこの時期といわれています。
永久歯は出生後に硬くなりはじめ、3歳ころまでにエナメル質ができるので、ここで何らかの問題が起きているのでしょう。
大きくわけると遺伝的要因と環境的要因が考えられるといわれています。
遺伝的要因については、影響は限定的と考えられます。
歯がうまく育たない遺伝子を持つお子さん、また高齢出産が増えると増加するとされる遺伝子病が歯の育ちに影響するケースを考慮しても、これほど急激なエナメル質形成不全の増加の根拠にはなりません。
環境的要因、つまり歯が育つ妊娠期から出生後の幼児期までの、お子さんの育つ環境に問題が起きていると考えられています。
乳歯のころに根っこまで届くような虫歯をつくると、その下に育っている永久歯の成長を阻害してしまっています。
転んで乳歯を打った時に、下で育っている永久歯がダメージを受けることもあります。
でも、これはおもに前歯で奥歯に起きることはそうそうないとされています。
エナメル質形成不全の増加は、世界中で起きていますが、興味深いことに、アメリカでは原因を絞り込む有力な手掛かりになったといわれています。
その原因はおそらくビタミンD欠乏症
アメリカはビタミンDの摂取に力を入れており、食品に添加したり、妊産婦にサプリメントを飲ませているといわれています。
牛乳にはほぼ入っていますし、オレンジジュースにも結構はいっているといわれています。
ビタミンDというと・・・
つづきはまた・・・