歯科衛生士がお話しする歯の講座の第137講目です。
季節外れの暑さから、この季節らしい寒さが戻ってきましたね。
あわてて上着を出したり、温かいものが食べたくなったりと・・・
あっという間な月末ですね( ;∀;)
さて、デンタルフロスや歯間ブラシを使うと歯と歯の間の歯ぐきが強くなりますか?という質問を受けました。
今回はこの質問に答えたいと思います。
歯と歯のあいだの歯肉は内側がくぼんでいて、プラーク(細菌のかたまり)がたまりやすい形をしています。
そこを清掃できるのがフロスと歯間ブラシです。
ですがこれらの道具には、プラークを落とす以外にも、歯肉の組織を強くする効果があります。
歯肉には硬い歯肉とやわらかい歯肉があります。
お口を「イー」としたときに見える歯肉は「角化歯肉」といい、硬くて丈夫な組織です。
一方、歯と歯のあいだの歯肉は角化の度合いが低い、弱い組織です。
細菌への抵抗性も弱く、歯周病になりやすいです。
そのため、歯と歯のあいだの歯肉はウィークポイントといえます。
歯と歯のあいだをフロスや歯間ブラシでみがくようになると、この弱い組織に刺激が与えられます。
すると、細菌への抵抗性が増し、歯周病の予防にもつながります。
しかし、刺激が重要だからといって、歯と歯のあおだの歯肉にフロスや歯間ブラシをグリグリ押し付けるのはよくありません。
歯肉が傷つきますし、歯と歯の間の膨らんだ部分が圧迫されてなくなり、歯の隙間が目立つようになってしまいます。
フロスや歯間ブラシは、歯の根元に沿わせて動かすだけで、自然と周りの歯肉に糸や毛先が当たるので、十分な刺激となります。
歯間ブラシの注意点は、狭い隙間に大きすぎる歯間ブラシを使うと、歯や歯ぐきを傷つけたり、歯間ブラシも折れやすくなります。
また、広い隙間に小さすぎる歯間ブラシを使ってしまうと、歯垢を十分に落とすことができません。
歯間に無理なく挿入でき、きつく感じない程度を選ぶようにするといいでしょう。
前歯と奥歯などで歯間の隙間の広さが異なる場合には、それぞれに合った太さの歯間ブラシを使い分けてください。
サイズがわからないときは歯科医院でチェックしてもらいましょう。
フロスの注意店は、糸を入れるときは痛くないように、まっすぐにぎゅっと押し込むのではなく、のこぎりを引くように少しずつ歯の間に入れていき、歯ぐきとの境目の汚れをとってから、歯にそわせて引き出すのがコツです。
わからないときは、こちらも歯科医院で指導を受けましょう!