歯科衛生士がお話しする歯の講座の第138講目です。
偏咀嚼という言葉を聞いたことがありますか?
偏咀嚼とは、日常の噛む習慣が片側に偏っている状態を「偏咀嚼」といいます。
片方ばかりで噛むような習慣があると、噛む側ばかりに力がかかり、噛む側の歯がすり減ったり、圧がかかって歯がめり込むことで歯が低くなります。
低いほうにあごが徐々にずれていくことで、さらに上下の前歯の真ん中(正中)のずれがみられるようになります。
あごの位置自体がずれるので、顔もゆがんで徐々に曲がってきてしまいます。
最近、偏咀嚼のお子さんが増えてきているようなのです!!
そもそも、咀嚼とは、口の中に含んだ食べ物を飲み込むことができるように、細かく噛み砕くことをいいます。咀嚼をすることで食べ物を体内に取り込み、唾液が多く分泌されることで消化酵素がしっかりと働きます。そして、消化や吸収をスムーズに行うことができるようになります。その結果、胃腸への負担が軽減します。また、唾液には多くの抗菌物質が含まれているためよく噛むことは歯周病や虫歯の予防にも役立ちます。
その他にも咀嚼は顎の発育や筋肉の発達にも役に立っており、顎の骨が丈夫になる事で歯を健やかに育てることができるといわれています。咀嚼することで食べ物の食感や味を感じ取り、咀嚼することによる刺激が脳に伝えられ、脳が活性化するといわれています。
よく噛むことが脳の記憶や判断や思考、意欲などを司る部分まで活性化させることができるともいわれています。
こどもがが食べ物を食べる際に「正しく噛む」ということを身に付けることは、こどもの咀嚼機能の発達を考える上でも食事の面から見ても非常に重要なことなのです。
「噛んで食べる」ということは当たり前のことのように感じてしまいやすいですが、離乳を進めることで初めて身に付けることができる能力なのです。
このハッピークラブの講座でもお話ししていますが、離乳の進め方が適切に行われていなければ、あまり噛むことができず、食べ物を丸飲みにしてしまうなど食べる能力が発達しない恐れや癖がついてしまう可能性があります。
周りのこどもよりも成長が遅くて心配で焦り、咀嚼能力をなるべく早く身に付けようと無理に硬いものを与えてしまうと、硬いものをなんとかして食べようとする丸飲みが習慣になってしまいます。
正しい発達を妨げてしまうことに繋がります。
咀嚼機能を正しく発達させるためにも、こどもの状態に合わせて必要なステップを踏むことが大切です。
一度丸飲みを覚えてしまうと、咀嚼をしてから飲み込むということを覚えさせるのが難しくなるので十分注意しましょう。
歯の発達と関係してくるので、ご心配なかたは藤村歯科クリニックにご相談ください。
続きはまた・・・