歯科衛生士がお話しする歯の講座の第141講目です。
2021年、1月4日から藤村歯科クリニックは診療がスタートいたします。
このハッピークラブ、藤村歯科クリニックを今年も宜しくお願い致します。
さて、新年初めての講義となりますので、改めて「噛む」ということをテーマにお話ししたいと思います。
ステイホームが主流となっているこの時期、お家ごはんやお家カフェが増えた方が多いでしょう。
そうなると心配なのが、だらだら飲み・食べです。
お正月もあり、だらだらとお口が休まることなく、だらだら飲み・食べした方いるのではないでしょうか?
日々、おいしく食べるには、だらだら飲み・食べしないことはもちろんですが、今回は噛んで食べることの重要性をお話ししたいと思います。
一言で「噛む」といっても、ピンとこないことが多いと思われます。
食塊形成をお正月ということで、「餅つき」を例にして説明したいと思います。
たとえば、杵と臼だけを使って「餅つき」をするとどうなるでしょう。
はじめは調子がいいかもしれませんが、そのうち餅は乾燥し、ぐちゃぐちゃな状態で杵や臼に張り付いてしまい、到底、餅の塊はできません。
では、しっかり餅の塊を作るには、何が必要かと思われますか。
それは、水と、手でこねる動作です。
つまり、お口の役割に置き換えると、水が唾液で、手でこねる動作が舌の運動に相当します。
実際には食べるときみ、食物が口に入ると唇は閉じ、歯で咬断・粉砕し、舌の運動によって唾液と混和されます。
そして、食塊が形成されると、舌によって喉に送り込まれます。
したがって、十分な食塊形成を行うためには、歯だけでなく、唾液と舌の運動も大切な要素であることを認識しましょう。
食事中に食べ物をよく噛み、唾液が分泌されると、唾液中の水分、ムチン、αーアミラーゼのはたらきによって咀嚼しやすくなるといわれています。
特に、お口が乾燥しやすい人は、その効果を実感しやすいです。
よく噛んで食塊形成を意識することは非常に重要といえるのではないでしょうか。
しかし、噛む回数ばかりに執着して、楽しいはずの食事が苦痛になってしまっては元も子もありません。
無理なく、食事を楽しんでもらうことも大切なのでおいしく楽しい時間も忘れないことも重要です。
五感をフル回転させ「おいしさ」を表現して、一生自分の歯で食べることができますように藤村歯科クリニックが今年もサポートできればと思います。