歯科衛生士がお話しする歯の講座の第149講目です。
2月も終わりになりましたね。
今年は花粉症がひどいようですが、皆さんは大丈夫でしょうか(;’∀’)
涙で視界が悪い日々ですが、春の訪れを感じながら過ごしてます☆
さて、前回より歯の根の治療についてお話ししています。
今回もその続きです。
一筋縄ではいかない歯の根の治療です。
どのような流れで進むのか、ステップごとに見ていきたいと思います。
痛みの原因①
死んでいく神経が発する痛み
死んでいく神経が痛みを発します。
死ぬと痛みは沈黙し、痛みはなくなります。
痛みの原因②
膿が骨を圧迫する痛み
歯の根の先に溜まった膿が大きくなると、あごの骨を内側から圧迫して痛みが生じます。
根幹内の細菌-それが元凶です。
歯の根の治療はどのように進むのでしょうか。
最初に「治療前」の状態を見てみましょう。
エナメル質から象牙質にむし歯が広がり、細菌が神経にまで入り込みました。
感染により神経に炎症が起き、根の先には膿がたまっています。
歯の根のむし歯は非常に強い痛みを生じます。
痛みの原因は2つあり、1つは「神経が死ぬときの痛み」といわれています。
神経が細菌感染を起こして死んでいくときに痛みが生じます。
いわば神経が断末魔に上げる悲鳴といわれています。
もう一つは、「膿があごの骨を圧迫する痛み」といわれています。
歯の根のむし歯が進行すると、細菌が体内に入り込まないように、根の先が免疫と細菌の戦場となります。
その膿が膨らんでくると、あごの骨のなかで圧迫痛を生じます。
むし歯のこれ以上の悪化を防ぎ、痛みをなくすには、根管のなかから細菌を取り除かなくてはなりません。
根管のなかを物理的に掃除します。
細菌を取り除くには「感染部分を除去」しなくてはいけません。
エナメル質や象牙質の感染部分を削り取ったら、根管内の感染部分を除去します。
ファイルやリーマーという、待ち針のような器具を根管に押し込んで、少しずつ削りとっていきます。
根管のなかは見えないので、歯科医師は解剖学的知識とレントゲン写真などをてがかりに、指先に全神経を集中して治療を進めます。
器具の先端で細い根管の位置を確かめながら、感染部分を削っていきます。
器具を押し込むときに角度的に邪魔になるようなら、むし歯になっていないエナメル質や象牙質を削ります。
健康なところも削るの・・・と思われるかもしれませんが、そこを削らないで器具が十分に届かず、感染部分がきれいに除去できないと、治療の成功は難しいです。
命にかかわる心臓病の手術をするのに「胸をきらないで」という人はいないですよね(;’∀’)
続きはまた・・・