歯科衛生士がお話しする歯の講座の第158講目です。
夏日のような気温になってきましたね(;’∀’)
急な暑さで、熱中症にならないようにしっかりと水分補給や質のいい睡眠、休息、食事に気を付けて過ごしていきましょう。
歯科界では、歯やお口に関する研究が日々行われています。
そうしたデータには、歯科受診の大切さを痛感させられるものも多々あります。
歯とお口の健康の「いま」をみていきましょう。
歯の健康には「お茶」と「人」?!
緑茶に歯の健康を守ってくれるということをご存じでしょうか。
緑茶に含まれるカテキンには殺菌作用があり、むし歯や歯周病の原因菌をある程度抑えてくれると考えられています。
加えて緑茶には、歯磨き剤のむし歯予防成分でおなじみのフッ素(フッ化物)も含まれています。
アメリカやオーストラリアでは、水道水中のフッ素濃度を緑茶と同じくらいになるように調整してむし歯予防をしているといわれています。
このような時期で人との交流が難しい時期ですが、人との交流があると、どこの歯科医院にいっているかなど、健康に役立つ情報が聞けたり、人と会う前に歯磨きをするといった行動が増えるかと思います。
細かいことですが、これらも積み重なって歯の健康を左右すると予想されます。
「緑茶」と「人のつながり」が歯の健康によい影響を与えるというのは、まったくの推論ではなく、統計にもみられます。
2万4147人の日本人高齢者(65歳以上)に、「1日の緑茶の摂取頻度」と「1か月に会う友人・知人の数」を質問し、その他の関連要因を考慮しつつ、「お口に残っている歯の本数」を比較したものがありました。
その結果、1か月に誰とも会わない高齢者の場合、緑茶を1日に4杯以上飲む方は、緑茶を1日に1杯未満しか飲まない方に比べて約1.3本多く歯が残っていました。
一方、緑茶を飲まない高齢者の場合、1か月に10人以上の人と会う方は1人も会わないかたに比べ約2.3本多く歯が残っていました。
緑茶と人とのつながり両方を考慮したところ、人と会わないかたでは緑茶の恩恵が強く、緑茶を飲まないかたでは人の恩恵が強い傾向があるといえるそうです。
緑茶をよく飲み、会う人も多いというかたは、両方の効果が重複して頭打ちのようになっています。
いまのように人と会いにくい時期は、緑茶をよく飲むといいかもしれないですね。
もちろん、緑茶をのんでいるからといって、フッ素いりの歯磨き剤の使用や歯科の定期健診は欠かせない重要といえます。