歯科衛生士がお話しする歯の講座の第162講目です。
昨日は父の日でしたね。
日ごろの感謝の気持ちを少しでも伝えてみると何だかうれしいですよね( *´艸`)
さて、お口の老化のサインについてお話ししています。
今回もその続きです。
お口の老化はなぜ怖い?
食べられなくなるより怖いムセと窒息、誤嚥性肺炎。
お口の老化、つまりお口の機能が低下していくと、どのようなことが起こるのでしょうか。
まず思い浮かぶのが、「うまく食べられなくなる」ことかと思います。
実際、「食べる」という作業は、歯だけでなく、くちびるや頬、舌、のどまわりの筋肉が協力して行われます。
歯が残せても、舌やのどの動きが悪くなれば飲み込めなくなり、食べることが難しくなっていきます。
すると栄養が十分に取れなくなり、体力が低下して病気やケガをしやすくなるので、寝たきりになる原因となります。
ですが、それよりもこわいのがムセや窒息、誤嚥性肺炎です。
お口の機能が低下すると、これらのリスクが非常に高まるのです。
「ムセはたしかに苦しいけど、何が怖いの?」
と思われるかもしれませんね。
しかし、気管に入った異物を吐き戻す行為は、からだにとても負担をかけます。
若いうちは何ともなくとも、お年を召したかたには思わぬダメージとなりかねません。
また、ムセができているうちはいいのですが、お口の機能の低下が進むとムセて吐き戻す機能が弱くなり、窒息の危険性が高まります。
ムセは異物を吐き戻す体の防御反応です。
吐き戻す動きには、のどの筋肉が関係します。
窒息が起こる経緯は①飲み込む力が弱くなってきている
②吐き戻す力が弱くなっている
誤嚥性肺炎は、唾液に含まれる細菌が誤って肺に増殖し、炎症(肺炎)を引き起こす病気です。
毎年、多くのかたの命を奪っているのは、みなさんもご存じかと思います。
窒息や誤嚥性肺炎が起こらなくても、お口の機能が低下していくと、いずれは噛んだり飲み込んだりが難しくなり、うまく食べられなくなっていきますそうなる前にも、食べられるものが限られてしまうことで、栄養不良や体力低下に拍車がかかります。
健康な状態と寝たきりの中間にフレイル(身体機能や認知機能の低下)という状態があります。
お口の機能の低下、つまりオーラルフレイルからはじまるとも考えられています。
つづきはまた・・・