マウスピース矯正~インビザラインとは?~
従来の伝統的なワイヤーを用いた方法ではなく、透明なマウスピースを装着することで歯を動かします。日本に導入された十数年前であれば軽度な不正咬合、例えば1度ワイヤー矯正をした患者様の後戻りを治す程度でしかまだ確実に治すことができませんでした。
しかし現在は、目覚ましいイノベーションによりマウスピース矯正の可能性・適用は大きく広がり、かなり多くのケースでマウスピースを用いた矯正治療で治せるようになりました。
注意しなければいけないこととして、マウスピース矯正と言っても全世界で様々なシステムが存在します。当院では全世界で1000万人以上の患者様の治療に使用され全世界でトップシェアを誇るアライン社の「インビザライン」にて矯正治療をご提供しております。様々な理由から現時点でマウスピース矯正としては「インビザライン」以外の選択肢はないと考えます。
インビザラインの6つのメリット
透明で目立たない
何といっても最大のメリットは透明なため目立たないということに尽きます。
人前でお話をする機会の多い方、営業のお仕事に就かれている方、ご年配の方「矯正治療をしたいけど、人目が気になるからどうしようか…」とお考えの方は多いのではないでしょうか?
インビザラインは、厚さ0.5mmの透明のマウスピース型の矯正装置です。歯の最適な移動に必要不可欠な「アタッチメント」という小さな突起を歯の表面につけますが、歯と同じ色のため、それ程目立ちません。
最近では芸能人でインビザラインをされている方をテレビで見かけることもよくありますが、皆様は気付いたことがありますか?
自分から言わない限り、ほとんど周りに気付かれることはないかと思いますので、数か月~数年の矯正治療期間中もそれほど人目を気にせずに生活を送ることができます。
痛みが格段に少ない
まず、どんな矯正治療も歯に力を加えて歯を動かすので大なり小なり痛みを伴います。しかし、インビザラインはワイヤー矯正と比べると、格段に痛みが少ないかと思います。
その理由として、インビザラインではマウスピースが歯を覆うことで歯全体にマイルドな力を加えることができ、1つのマウスピースで動く歯の移動量が最大0.25mmと決められているため過度な力が歯に加わりにくいことが挙げられます。
またワイヤー矯正のように、ワイヤーや装置の角がほっぺや舌などに擦れたり刺さったりするような痛みは全く無いため、粘膜が荒れたり口内炎ができることはほとんどありません。
取り外しができるので、衛生的で
食事もしやすく話しやすい
ワイヤー矯正のように装置に食べかすや歯垢が沈着することがありません。歯の移動中は歯と歯の間に物が詰まりやすくなりますが、マウスピースを取り外してブラッシングもできるので矯正治療中に歯や歯周組織を健康に保ちやすい環境と言えます。
また、食事中も取り外せるので、葉物や粘着性のあるものなども普段とほとんど変わらず食事を楽しむことができ、厚みも0.5mmと薄いのでつけ始めはぎこちないこともありますが慣れてくれば会話も不自由なくすることができます。
矯正治療期間中の患者様の生活への影響が従来のワイヤー矯正よりも格段に快適になります。
金属アレルギーの心配もなし
インビザラインはプラスチック製の為、金属アレルギーを引き起こす心配がありません。金属アレルギーで矯正治療を断念した方も、安心して治療を受けて頂くことができます。
幅広い年齢の患者様に適した治療
年齢による制限はありません。永久歯が完全に生えそろっていないお子様も、見た目を気にされやすいご年配の方でも透明なマウスピースによるインビザラインであれば、矯正治療が可能です。
治療の流れや仕上がりをイメージしやすい
ご自身の歯が動いていく過程や仕上がりを、最新のシミュレーションソフトを通して見ることができるので最終的にご自身の口元がどんなふうになるのかイメージが膨らみ、ゴールまでの道のりも可視化することができます。
治療ゴールが分かりやすい各種機能
【治療前】outcome simulator
iTero5D(アイテロ5D)によって採取した歯型データをもとに、「現在の歯並び~治療終了時の歯並び」の歯の動き方を立体的にシミュレーションします。どのように歯が動いていくのか、どのような仕上がりになるのかを、治療前から患者様にも知っていただけます。
【治療前】smile view
歯を見せた状態でスマートフォンによるセルフィー(自撮り)をすることで、インビザラインによる治療後の歯並びのイメージを作成する機能です。 「outcome simulator」と比べると簡易的なものですが、手軽であり、iTero5Dによるスキャンも必要ありません。QRコードを読み取り、Smile Viewのサイトにアクセスするだけで利用可能です。
【治療中】progress assessment
治療期間中の定期的なご来院の際にも、iTero5Dで口腔内をスキャンし、歯が最初のシミュレーション通りに動いているかを、色分けした分かりやすい画像で確認できる機能です。 歯の動きが不十分である場合も、マウスピースを追加するなどして、最終的に正しい位置まで歯を動かすことができます。 もちろん、患者様にも画像をご覧いただきます。
【治療中】time lapse
歯の動き方だけでなく、歯の摩耗、歯茎の退縮などの口腔内の状態を視覚化できる機能です。 噛み合わせ改善を含めた適切な矯正治療のためにも欠かせない機能と言えます。
インビザラインのデメリット
(リスク)
- インビザラインによる矯正では、当然のことですがマウスピースを所定の時間きっちり装着してこそシミュレーション通りに歯を動かすことができます。ワイヤー矯正と異なり、患者様ご自身で取り外せるからこそ、1日あたりのマウスピース装着時間が守られない場合、担当医師の指示通りに使用されない場合は、予定通りに歯が動かないというリスクがあります。そのような場合、最初の想定以上に治療期間が長期化したり、ゴールが達成できないなど、望まれる治療結果の実現性に影響を与える場合があります。
- マウスピースを付けたままで、甘いものを食べたり飲んだりすることが習慣化してしまうとむし歯や歯周病になるリスクが高まる、また着色やステインが歯の表面に付着してしまいます。
- ケースによっては歯の最適な移動のために、マウスピースだけではなくワイヤーや補助的矯正装置(ミニスクリュー、カリエールモーションなど)を併用する必要があります。
他の矯正法との比較
※表を横スクロールで全体を表示
マウスピース矯正 | 一般的なワイヤー矯正 | 舌側矯正 | |
見た目・目立ちにくさ | ◎ 透明で薄いマウスピースのため 目立たない |
× ブラケットとワイヤーが歯の表側に取り付けられるため目立つ |
◎ ブラケットとワイヤーが歯の裏側に取り付けられるため ほとんど目立たない |
装置の取り外し | ◎ 簡単にできる(慣れれば数秒で) |
× できない |
× できない |
衛生面 | ◎ 取り外して洗え、1~2週間ごとに交換し、歯磨きもこれまで通りに行えるので衛生的 |
△ 取り外しができないため 汚れが溜まりやすい |
△ 取り外しができないため 汚れが溜まりやすい |
痛みの有無 | ○ 1つのマウスピースでの移動量が最大0.25ミリと決められているため痛みが少ない |
△ 1回の調整での移動量が大きいため痛みが出やすい。唇の内側にも装置が当たりやすい |
× 1回の調整での移動量が大きいため痛みが出やすい。舌や歯茎にも装置が当たりやすい |
抜歯の有無 | ◎ ほとんどの症例で抜歯が必要ない |
△ 抜歯を伴う症例が多い |
△ 抜歯を伴う症例がやや多い |
金属アレルギー | ◎ プラスチック製のため心配ない |
× 金属製の場合 アレルギーの心配がある |
× 金属製の場合 アレルギーの心配がある |
矯正費用 | ◎ 33~110万円 (歯並びの乱れの程度による) |
◎ 66~110万円 |
× 88~165万円 |